20代女性に“年の差婚”願望が!
東日本大震災をきっかけに、結婚に踏み切る、
または婚活に力を入れる人が増えている。
結婚情報紹介サービスのオーネットでは、今年4月の資料請求件数が前年同月比で12%増。関東の女性に限れば24%増で、成婚件数も3月は前年同月比19%増、4月は18%増だった(5月15日朝日新聞より)。
未曾有の災害に際して、あらためて家族の絆を感じた人、自分の家族が欲しい、一人では不安だと思った人が多かったのだろう。実際、震災直後に安否を気遣って連絡をくれた人にぐっと心が傾いたという声は、SPA!の取材でも数多く聞かれた(週刊SPA!5/24号「震災恋愛【フラれた/モテた】の境界線」)
◆『結婚した~い』20代女性の胸の内
しかし、震災が結婚への後押しをしたのは確かなのだが、実は震災前から、特に若い女性の間で結婚願望が高まっていたのである。
明治大学で「婚育」を教えている人気心理カウンセラーの諸富祥彦教授は、ここ数年、女子学生の間で早婚願望が高まっていると実感しているという。
10年くらい前までは、せっかく大学を出たのだから、10年くらいは仕事に打ち込み、達成感を得られたところで結婚しよう、という女子学生が多かったのに、ここ数年、27、28歳で結婚したいという学生が増えたというのだ。
諸富教授が分析するに、その理由は2つ。
1つは、「婚活ブーム」によって、年が上になるほど婚活市場での市場価値が下がるということを意識している。
2つめは、リーマン・ショックからの全国的な不景気。経済的な不安から、「早く安定したい」と望むようになっている。
この2つの理由から、20代の若い女性たちの間で「早く結婚したい」という意識が高まっているという。
◆結婚願望と同世代男子への不満
そこで新たに注目を集めているのが「年の差婚」である。
お笑いのフジモン(藤本敏史と木下優樹菜)夫婦しかり、小雪&松山ケンイチ夫婦しかり、8~10歳以上の年の差夫婦が続々と登場している。
ここで見逃せないのが、松山ケンイチのようなイケメン俳優だけでなく、フジモンやホリケンのような、言葉は悪いがブサメンも、若くて美人の妻をゲットしているということ。
20代、30代の恋愛・結婚事情に詳しいマーケティングライターの牛窪恵氏は、仕事への失望感と漠然とした将来不安が、若い女性を結婚に向かわせているという。
バリキャリと呼ばれ、仕事に打ち込んできた「負け犬世代(アラフォー)」の先輩女性を見ていると、どうも幸せそうに見えない。不景気で先の見えない社会情勢は、将来不安、経済不安を抱かせ、「早く安定したい」と結婚願望がつのるが、同世代の男性たちはまだ収入も少なければ将来性も不透明。さらに、草食系で優しい男の子たちは、なかなか積極的に口説いてきてくれず、精神的に頼りない面もある。そこで、若い女性たちが「年上男性」に目を向けつつあるというのだ。
年の差結婚が増えてきたことから、年の差に対する抵抗がなくなり、年上男性はそこそこの収入があるうえに、精神的な余裕がある。
かつてなら「同世代か4、5歳違いまで」と思っていた女性たちが「4~6歳上が理想」「7歳以上年上もありでしょう」と言い始め、いまや「年上男バンザイ!」派の若い女性は4人に1人以上にも達しているのだ。
これは40代男性にとってチャンス!
諸富教授と牛窪氏は、「年の差結婚が成功する人は、いろんなことを年の差のせいにせず、お互いのギャップを楽しめる柔軟な人」と言う。
「俺なんかオジサンだし」と言わず、どんどん若い女の子にアプローチしてみてほしい。不安に満ちた今の社会を一緒に乗り切る伴侶が見つかるかもしれない。
ひとつだけ言っておきたいのは、年上だからといって「教えてやるよ」の上から目線は絶対にNGということ。年上だからALL OKということではないのは肝に銘じておきたいものである。
『【年の差婚】の正体 ~なぜ同世代に惹かれないのか~』
(諸富祥彦・牛窪恵共著 扶桑社新書)
取材・文/大崎 広小路 写真/Couple by mrhayata from flickr
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