エンタメ

『半沢直樹』『天国と地獄 ~サイコな2人~』…TBSドラマが独り勝ちするワケ

キャストは作品優先! 新人の起用もお見事

 キャスティングやドラマ制作全般に関わる会社の代表・C氏に聞いた。 「他局は主演クラスのキャストが先に決まっていて、それから作品作り、脚本作りが動くことが多い一方で、TBSは作品自体を大切にしている。作品に合わなければ、大物俳優であっても使わない姿勢はさすがの一言です。
 逆に、若手の抜擢は積極的に行なっており、過去には上白石萌音さんや岡田健史さん、森七菜さんをメインどころで起用した。また、舞台役者や歌舞伎役者、落語家、芸人などをバイプレーヤーとしてうまく起用するあたりもうまい。今クールの『オー!マイ・ボス! 恋は別冊で』(火曜22時~)でも売れっ子の上白石萌音さんをすんなり起用できたのも、新人時代の大抜擢があったからだと思います」

世界観よりもセリフや脚本の妙を重視

 脚本家にも“TBSドラマの強さ”について聞いた。刑事ドラマや2時間サスペンスなどを手掛けてきた女性脚本家D氏はこう語る。 「クドカンさん以外は世界観を持っているタイプの脚本家はほぼ使わないのが成功の秘訣なのでは? 最近のTBSは野木亜紀子さんや大石静さん、森下佳子さんに徳尾浩司さんなど、テンポのよさと巧みなセリフ回しを得意としていて、なおかつ柔軟な脚本家が多い。“私の脚本通りにしないと許さない”といったタイプの脚本家を使わなくなったのは英断だったと思います」  各局でドラマ制作に関わる誰しもが認めた“ドラマのTBS”の実力。そこにはさまざまな要因が秘められていた。2021年もあの話題作の続編が放送されるほか、注目作がめじろ押しということでまだまだ一強は続きそうだ――。<取材・文/木田トウセイ>
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
1
2
おすすめ記事