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“居酒屋難民”たちの酒飲みライフを直撃。公園、コンビニ横でこっそり

酒をジュースのペットボトルに入れ替えて飲む

酒 とはいえ、街中で酒を飲むのは行儀が悪く、道ゆく人からは怪訝な目で見られること確実。追い詰められたからといってレジスタンスよろしく世に反抗しても「単なる酔っ払い」と嘲笑されるのが関の山だ。  しかしながら、のんべえにとっては、帰宅するまで飲みたい気分を抑えるのにも限界がある。 「チューハイなど無色透明の酒であれば、ミネラルウォーターなどのペットボトルに移し替えて飲む。これは基本のキです」  東京都内の会社役員・副島成人さん(仮名)が実践しているのは「飲んでいると思われない」ように飲酒する方法である。缶ビールなどをコンビニの袋で包み、酒であることを隠しながら電車内で飲んだ、なんて経験がある人もいるだろうが、実際はバレバレ。  ペットボトルに移し替えて飲むことで、「(多少は酒臭くとも)飲酒に見られなければ後ろめたさも減る」とか。

そこまでして飲みたいか……?

 最近の「飲み」はもっぱら会社の喫煙所だそうで……。 「お茶や水を入れておいた水筒に、コンビニで100円で売っている氷、炭酸水、アルコール度数高めのハイボールを買い、水筒に入れてシェイク。400円ほどで、居酒屋なら3~4杯分のハイボールが出来上がるんです。これを仕事終わりの喫煙所で飲む。タバコの匂いのせいで、酒を飲んでいるとはまさか見破られませんしね。ツマミはポケットにそっと差し込んでおき、こっそりかじる」(副島さん)  正直、そこまでして飲みたいか……? と閉口するしかないが、酒飲みにとって「居場所」がなくなった今、それぞれが試行錯誤しているようである。  もちろん、禁止されている場所での飲酒などもってのほか。こんなご時世に酔っ払ってトラブルなどを起こそうものなら集中砲火は避けられない。  コロナが収束を迎え、彼らが堂々と酒を飲める日が来ることを願う。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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