仕事

ネットカフェに出没するクレーマーの実態「相手を見た目で選んでる」

はしゃぐ団体客と自分勝手なお一人様の板挟みに

ネットカフェ 店内にはビリヤードをするエリアがある。そこには、大きな声ではしゃぐ中年の団体客がいた。  ひとりでビリヤードをしていた40代の男性客が「あそこのお客さんうるさいから帰ったら教えてくれる?」と言い残し、突然出て行ったのである。  小川さんは、はしゃいでいた団体客に「もう少し声を抑えてもらえますか」とお願いした。それから数時間経ち、先ほど出て行った男性客が戻ってきたのだ。  しかし、団体客はまだ帰っておらず、ゲームの最中だった。すると、男性客は小川さんに向かって「いつになったら俺はビリヤード入れるわけ?」と文句を言ってきた。 「団体のお客様が帰られたらお声がけするとうかがってますが、まだ帰っておりません。それでもよろしければ入られますか?」  小川さんがこう返すと、男性客がものすごい剣幕でまくしたてる。 「俺はあいつらが帰るまで7~8時間も待ってないといけないの? 何時間待たせるんだよ!」  男性客はその間、マッサージシートに移動していたらしいのだが「すみません。ご移動なさいますか?」と聞くと「なんだおまえのその態度は!」と逆ギレしてきたそう。小川さんは「あまりの自分勝手さに愕然としましたね」と呆れ声。  ひたすら謝ってなんとか事なきを得たそうだが、扱いにはさぞ難儀したであろう。

すっぴんのほうがクレーマーに絡まれる

「2年働いても時給はたったの30円しか上がっていません。毎日心をすり減らして働いてるのに割に合わないですね」と小川さんは不満を口にした。  早く辞めて新しいアルバイトを探したいと考えているが、コロナのせいで職探しも難航しているそうだ。  小川さん曰く、クレームを受けやすい日には傾向があるという。 「いちゃもんをつけられたり、面と向かって怒鳴られたりするときは、決まってすっぴん。化粧をしているときよりもナメられやすく、相手は『こいつになら言ってもいい』という見た目の雰囲気で選んでいるように感じます」  理不尽なクレーマーたちは、その場にいる人をターゲットに怒る理由を探してはストレスを発散してるのだろうか。客という立場を利用し、憂さ晴らしをする人間の相手をするのはあまりにも大変すぎる……。<取材・文/桃沢もちこ>
'93年生まれのフリーライター。社会問題からトレンド、体験取材まで幅広く書きます。アイドルオタクに詳しい。Twitter:@mochico1407
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