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“リモート飲み会”を1年続けて判明したメリット・デメリット

終電がないことで飲み会の終わりも見えない

電車 緊急事態宣言の影響で飲食店事業者の困窮が報じられるなか、外で飲めないということで「新たな飲み方」を実践し、楽しんでいる人たち。ただし、やはり何事にも「向き・不向き」はあるようで……。 「私の場合、終電がある方がよかった。時間や距離に束縛されないなんてウソ。リモート飲み会で上司にめちゃくちゃ束縛されます。むしろウザい」  リモート飲み会を全否定するのは、前出の野村さんの同僚・村田里穂子さん(仮名・30代)。酒飲みの上司を持ち、コロナ禍以前から毎週末付き合わされていたのだが、リモート飲み会でやっと顔をあわせなくて済むと胸を撫で下ろしていた矢先……。 「在宅での仕事が終わり、上司が私たちに声をかけ、リモート飲み会が始まったんですが……夜の7時から始まって、終わったのは夜中の3時。終電ないだろ、と言いながら一人延々飲んで、最後はブツブツ念仏みたいなことを唱えながら寝落ちしちゃって。チャットを切るに切れず、参加者たちは個別にスマホで連絡をとりながら、上司のアホヅラを見て呆れてました」(村田さん)  リモート化の良さであると言われてきた「時間や距離に束縛されない」ことがデメリットになる場合もあるのだ。

飲み会というよりもプレゼンの場?

 神奈川県在住の大手建設会社勤務・大川吉弘さん(仮名・30代)も同じような悩みを訴える。 「以前は時間がない、帰らなきゃ、と断れた上司の飲み会も、リモート飲み会のおかげで断れなくなってしまいました。普通の飲み会の方がマシだなと思うのは、二人以上でリモート飲み会をやる場合、一人ずつしか喋ることができないからですね。飲み会というよりプレゼンみたい。説教付きの上司とリモート飲み会なんかやっちゃうと大変で、笑いの要素もなくダラダラと……。上司も気軽に誘ってくる機会が増え、いいことなんてひとつもない」(大川さん)  実は筆者も、コロナ禍をきっかけに大いに「リモート飲み会」を楽しんでいるひとり。終電を気にせず、そして居酒屋で飲むよりも安価に酔える。最近はリモート飲み会に備えて、海外の珍しいビールを買い揃えたり、レシピサイトを見てツマミまで作る始末。  と、ここまではいいのだが、酔えばそのまま寝ちゃえばいい、という安心感からか、酒量は以前の倍以上に。家人からは「夜までうるさい」「出ていけ」と罵られ、在宅勤務なのに二日酔いで寝過ごして遅刻する、なんてこともかなり増えてしまった。以前のように「仕事が終わったら飲みに行くぞ」というメリハリがなくなり、もちろん、この原稿を書きながらも……。  こんな「ドツボ」にハマってしまった「リモート酒飲み」も少なくないかもしれない。<取材・文/森原ドンタコス>
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