味はかなり微妙だった。塩の味しかしないのである。Mさんにも試食してもらったのだが、「ポテトチップスとはほど遠い。味も食感も大根の古漬けのよう」とのことだった。 　この後、バナナチップス作りにもチャレンジしてみたのだが、できそこないの焼き芋の残りカスのような最悪の味だった。 　このまま失敗で終わるわけにはいかないので、日を改めてもう一度チップス作りにチャレンジすることにした。今回使用する材料はじゃがいもとレンコンである。 　前回の失敗の原因は、おそらく材料の水気がしっかり切れていなかったことだろう。そこで今回はじゃがいもとレンコンをスライスしてからキッチンペーパーで水気を取り、さらに数時間天日干しにしてみた。 　それからレンジで15分加熱。すると、その表面に少しだけ焦げ目が付いて硬くなっている。塩をかけて食べてみると、前回より味も食感もかなり向上していた。やはりポイントとなるのは、レンジで加熱する前にどれだけ食材の水分を切ることができるかということのようである。 　しかし、味は市販品のポテトチップスのほうが間違いなくいいし、コストもほとんど変わらない。またチップス作りをしたいかと訊かれたら答えはノーである……。＜取材・文／小林ていじ＞バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。