「頑張ります」という部下・後輩の本音とは
―[上司×部下[本音⇔建前]翻訳辞典]―
本音で語り合う――素晴らしい、と思う。が、こと職場においては“建前”が無用な軋轢を避け、仕事を円滑に進める潤滑油ともなるのも事実。上司⇔部下の会話に隠れる本音を酌みつつ、言わぬが花が大人のコミュニケーションだとも思うのだ
<仕事の依頼の建前⇔本音>(部下編)
上司からの「急がないから」という仕事の依頼は、決して額面どおりに受け止めてはいけない。実際は「すぐやれ!」の意味。トラブルが発生した際の「ちゃんと言わなかったしな、仕方ない」の本音は「わかれよ!」など、仕事の依頼にまつわる上司からの建前は、高いハードルを求めるが故というところもある。が、それを受ける側の部下はというと……。
「本当はまったく手をつけていなくても、仕事の進捗状況を聞かれたときは当然、『今、ちょうどその作業をしてるんですけど』と言う」(29歳・男・製造)、「私の『バタバタしてまして』は『やってません』『忘れてました』と同義」(29歳・女・出版)とまあ、ごまかすための方便の場合も少なくない。
さらに厄介なのは部下が「頑張ります!」と引き受けたとき。
「終わるとは限りません。やれるところまで、という条件付き。『やってみせます』とか『やります』とは絶対言わない」(26歳・男・デザイナー)なんてことも……。
「そんなふうに返答されたら『何か障害ある?』『いつまでなら大丈夫?』と状況を詳しく聞けばいいんですよ。建前上、忙しいフリをしているだけなら、『いやいや、大丈夫です』と、すぐ言うはず。『ありがとう! 超感謝!』と建前に建前で返すのも手。建前とバレても、相手を気遣っていることが伝われば十分ですから」(社会心理学者・渡部 幹氏)
※仕事の依頼の建前⇔本音(上司編)はこちら https://nikkan-spa.jp/171643
―― 部下⇒上司の本音と建前 ――
【建前】(提出書類が遅れていて)あと1時間で…できます
【本音】無理です
【建前】すいません。理解がわるくて
【本音】ちゃんと説明しろよ
【建前】ちょっと確認してみます
【本音】忘れてました適当に流しました
【建前】うーん…何とかしてみます!
【本音】失敗してもオレのせいじゃないし
【建前】最近、目の前の仕事に追われ気味で…
【本音】もうちょっとやりがいのある仕事をさせてください
【建前】これは個人的な意見なんですけど…
【本音】一般論としても絶対そう!
【建前】(メールで)お忙しいところありがとうございました
【本音】返事遅いっスね
【渡部 幹氏】
社会心理学者
北海道大学助手、京都大学助教等を経て現在、早稲田大学高等研究所招聘研究員。社会制度や組織の維持・変容を司る心理的基盤について研究。共著に『不機嫌な職場』(講談社)
― 上司×部下[本音⇔建前]翻訳辞典【3】 ―
―[上司×部下[本音⇔建前]翻訳辞典]―
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『不機嫌な職場』 病んだ職場の処方箋
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