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ダイソーの“対象年齢12歳以上”のオモチャが予想外に大人向き

約30分かけて振り出しに戻る

 頭から煙が出そうになるほど考えながらブロックを組み立てていった。胴体部分が少しずつ形になっていく。が、そこでブロックがはまらなくなってしまった。おそらくどこかからブロックがズレているのだろう。どこだ。いったいどこからズレているのだ……。その部分を見つけるために1個ずつブロックを外していった。そして緑色の土台ブロックの上にはライオンの4本足のみが残された。  きーーーッ!  僕は小さな悲鳴をあげて床の上をのたうちまわった。約30分もかけてほぼ振り出しに戻ってしまったのである。  ここにきてようやく「対象年齢12歳以上」の意味を理解した。こんなに難しいものが12歳未満の子供に作れるわけがないのだ。童心に帰って……なんて甘く考えていたのだがとんでもない。40代のおっさんのフルパワーをもって挑まなければ、このプチブロックを完成させることはできないようだ。  気を取り直して組み立てを再開した。組立図を睨みながら1個ずつ慎重にブロックをはめていく。そしてようやくライオンが完成したのは、最初に袋を開封してから1時間以上も経ってからだった。

ファミコンのドット絵のような姿

 しかし、戦いはまだ終わりではない。僕はこのライオンの他にティラノサウルスも購入していたのだ。少し休憩を挟んでからその組み立てに取りかかる。ある程度コツを掴んできていたので、これは30分ほどで完成させることができた。いちばんのポイントは、平面ではなく立体で考えながら組み立てていくということである。
ダイソー

完成したライオンとティラノサウルス。ファミコンのドット絵のようで味わい深い

 完成したライオンとティラノサウルスの2体を並べてじっくりと眺めた。プチブロックで形成されたその姿は子供時代に夢中になったファミコンのドット絵のようで味わい深い。我ながら良い出来栄えだという満足感と達成感がじわりと込み上げてくる。このプチブロック、しばらくハマってしまいそうな予感である。
ダイソー

口の部分は開閉可能だ

<文/小林ていじ>
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
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