ライフ

まさか自分が…コロナ陽性者、濃厚接触者に。家族の慌ただしい日々

妹の夫が陽性者に。家族を巻き込んだ一大騒動

マスク 内藤由紀さん(仮名・30代)は、近所に住む妹の夫であるAさんが新型コロナウイルスに感染した。コロナ禍だったが、会社の判断で出張が多かったことが原因だったのかもしれないと振り返る。  そこからしばらく、内藤さんや両親を含めて、慌ただしい日々を過ごすことになる。 「はじめに陽性が判明したのは、Aさんの職場の先輩でした。そして、Aさんも濃厚接触者として自宅待機となり、保健所からの連絡を待っていたそうです。しかし、2日待っても連絡がなかったので、こちらから連絡したそうですが、『検査はまだできない』と言われたみたいで」  内藤さんの妹は、まだ2歳の娘がいることや、もしも夫が陽性ならうつる可能性があるということで、不安な日々を過ごしたという。「コロナになることは避けたい」と家中のドアノブや洗面所、トイレなどをこまめに消毒し、Aさんは別の部屋で完全隔離、お風呂には最後に入ってもらい、出たらすぐに消毒を心がけるように徹底したという。 「3日目の夜にようやく保健所から連絡がありました。病院は車で40分のところにありますが、今から来てくれとのことでした。当然、公共交通機関は使用せず、1人で来るか家族に送ってもらうように言われたんです」  陽性だった場合、そのまま入院することになる。保健所からは、自家用車をずっと停めておける場所がないため、家族が送ることが望ましいと告げられたのだという。

「もしも陽性だったら」実家や身内にも頼れないのでは…

「旦那が仮に陽性だったとしても、うつらないように努力してきた妹でしたが、車で40分も一緒にいれば、うつってしまうのではないかと怖くなったそうです。  妹と旦那が病院に行けば、娘も一緒に行くことになる。もしかしたら、すでに3人とも陽性かもしれないと思うと、当初は実家や義実家、姉の私にも頼ることができないと悩んだそうです」  結局、Aさんの両親が病院まで送ったという。検査の結果、Aさんは陽性と判明した。 「濃厚接触者である妹とその娘は自宅待機。それから2日間待たされ検査しました。ここまでで5日間ですよ。一歩も家から出ず、買い物もできなかったそうです。かんしゃくを起こす娘と2人きりで、頭がおかしくなりそうだと泣いて電話をしてきました」  検査の結果は2人とも陰性。最後に夫と接触したときから14日間、自宅から出なければもう大丈夫と言われたそうだ。  家族である内藤さんや実家の両親、義実家の両親が交代で食料などを玄関に置き、テレビ電話で励ます毎日が続いた。  ゴミを捨てることもできず、玄関に置いてもらい、代わりに捨てに行く状況だったと話す。 「妹のケースは、実家が近く、両親や私など、頼ることができる人が多かったので、幼い子どもがいても何とかなりました。ですが、頼る人が傍にいなかったり、一人暮らしの場合はとても大変だなと思いました。  ある日突然、自宅から出られなくなるので、ある程度は食料や日用品をストックしておくべきだなと感じました」  内藤さんは、前出の浅田さん同様、「医療従事者の方々に感謝している」と当時の思いを話してくれた。「娘がコロナになったらどうしよう」と泣き出す妹に優しく話しかけてくれたり、この先どうなるのかを丁寧に教えてくれたりしたそうだ。    新型コロナウイルスは決して対岸の火事ではない。そのとき、冷静に対応できるようにしておきたい。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ