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UberEats中年配達員がボヤく、汗と涙の日々「オシャレな店は優しくない」

2021年のGWはパンの配達が多かった

アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記

『アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記』(ワニブックス、渡辺雅史)

「2021年のGWはオシャレなベーカリーみたいなお店ばかり行っていました。店内も混んでいるし、行列になっている店もあって、パンはめちゃめちゃ流行っている気がしますね。『そんなにパン食いたいか?』ってくらい、毎日パンを運んでいます」とのことで、自ずとグルメの流行にも詳しくなるようだ。  そして何かと、飲食店の店員に見下される機会も多いそうで、そんな中年配達員の悲哀も本書の読みどころだ。 「大学生にもバカにされるし、最近もマジで態度の悪い“オシャレパン屋”の店員に出会いました。ウーバーの配達は同じ店で2つの配達先の商品を受け取って、一緒に運ぶことがあるんですけど、店頭で渡される時に口頭で言われても、配達中にどっちがどっちかわからなくなる。  だから『紙袋に注文番号を書いてください』と伝えたら、『うちの紙袋は汚せないんで』と言われて……。なんとか最後は付箋で貼ってもらったんですが、『紙袋の価値なんか知らねーよ!』と思っちゃいますね」

日本人より外国人のほうが優しい

 渡辺氏曰く「オシャレな店は容器もだいたい危ない」のだとか。 「それがオシャレだから仕方ないですけどね。日本人の“おもてなし”とかもないですよ。カネ払う人に媚びているだけで、オシャレな店ほどそういう意識が垣間見える店が少なくない気がします。『外国料理屋さんのほうが優しい』と、配達員はみんな口揃えて言いますね。『ご苦労様』と声をかけてくれたり、空いている店内で待たせてくれたり、ちょっとした飲み物くれたりするのは、だいたい海外の店員さんです」  1件あたりの配達報酬は地域によって異なり、都内では400円弱の基本料金と1キロ60円の距離料金にボーナスが付く構成だったが、5月10日には全国で新料金体系が導入。繁忙に応じて報酬が増減するダイナミックプライシングの要素が取り入れられた。 「全体の報酬自体はほぼ変わりませんが、基本料金と距離料金という考え方がなくなり、どういう計算で算出されるのかわからない『ベース』という料金と、これまたどんな根拠で支払われているのかわからない『配達調整金額』という2つから構成されるようになった。ウーバー側の裁量で勝手に報酬を減らせる仕様になったように思えます」  一部の配達員の危険運転なども取り沙汰されるが、多くの真面目な配達員たちの苦労にも思いを馳せてみては。届けてもらったものが、いつもより美味しく感じられるかも……しれない。 <取材・文/伊藤綾> 【渡辺雅史】 1975年生まれ。ラジオのハガキ職人を経て、ライターに。出版不況の折り、減り続ける仕事と、「メタボ」「糖尿病」「高血圧」「脂肪肝」の四重苦から少しでも免れるためウーバーイーツの配達員に。本書のベストセラーによる印税生活を夢見ている
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