ライフ

「パチンコ型スロットマシン」じゃない?みんな知らない「パチスロ」の本当の名前

法的な名称は「回胴式遊技機」

「回胴式遊技機」という呼び方を知っている人は多いでしょう。ファンか業界人がほとんどと言えるでしょう。しかし、パチスロを一度もプレイしたことのない人はまず知らない名称です。「回胴式」とは言い得て妙ですが、確かに箱(筐体)の中でリールが回転しているわけで、考えた人のイメージ力はなかなか凄いですね。  しかも、この名称はパチンコ業界の法律である風営法(風適法とも。「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」)に記載されている法律上の「正式名称」になります。  回胴式遊技機は保通協(保安通信協会。遊技機の型式試験を主業務とする、国家公安委員会の指定試験機関)によって新機種の型式試験に合格して始めてホールで稼働(営業)することができるのです。ちなみに、日本初の「回胴式遊技機」がホールへ導入されたのは1964年(昭和39年)です。

業界的には「オリンピアマシン」

 この呼び方を知っている人はかなりのマニアと言っていいでしょう。前述のように、日本初の回胴式遊技機がホールへ導入されたのは1964年(昭和39年)ですが、この年は元祖「東京オリンピック」の年でもあり、それにちなんで「オリンピアマシン」という名前が使われだしたそうです。最初の回胴式遊技機「オリンピア・スター」、続いて「ニュー・オリンピア」「オリンピア・マークⅢ」が発売されました。  なお、「オリンピアマシン」が業界の正式名称として決定されたのは1981年(昭和56年)とのことですが、この名称が一般に定着しているかというと非常に微妙ですね。  また余談ですが、「オリンピアマシン」を開発、販売していたのが「セガ」(現:セガサミー)と太東貿易(現:タイトー)で、共同で営業していたといいます。現在ある遊技機メーカーの「オリンピア」とは特に関係はないようです。  そして、現行仕様に近いゲーム性を持ったパチスロは1977年にマックス商事から出された「ジェミニ」や、現行の筐体に近い「パチスロパルサー」(尚球社。現:岡崎産業)がなどが有名で、いわゆる「0号機」へ繋がっていきます。ちなみにマックス商事は後年「マックスアライド」として復活しております。  いかがだったでしょうか。パチスロの来歴がスロットマシンであることは事実ですが、パチスロは実に日本的な機械であることが分かります。名称も3つあり、それぞれ歴史的な経緯もありました。歴代のパチスロ機を一度はプレイしてみたいですね。 <文/麻枝月輝夜>
元パチンコ雑誌編集者。ライター、編集者。パチンコ業界歴は30年近い。現在は業界誌の他WEB媒体に転職系や占い、オカルト系記事なども執筆中
1
2
勝SPA!
おすすめ記事