電波ゴトで命を削ってもパチンコで稼ぎたかった中国人たちの末路
ゴト師という裏稼業をご存じだろうか。その語源は「仕事師」とも呼ばれ、パチンコやパチスロに不正行為を働き出玉を出す連中のことをいう。ゴト師の歴史は古く、手打ちの時代から存在した。磁石を使って玉を誘導して入賞口に入れるという古典的かつアナログな手法から始まり、セル版を使ったり、中には力ずくでスロットのリールを止めてボーナスを揃えるというものもあった。今回はそんなゴト師の使っていたある道具を実際に使ってみた話をまとめてみたいと思う。
今から20年ほど前の話だが、あまりにも強烈な出来事だったので今でも鮮明に覚えている。確か1999年の秋頃だったと思う。業界の一大イベントだった幕張メッセの「パチンコ・パチスロ産業フェア2000」の前だったと記憶している。
知り合いの店長から携帯(ガラケー)に連絡が入った。
「この前、店に来たゴト師捕まえたんやけど、体感器持っとってな。没収してやったんやけど、ちょっと面白いブツやから見にけぇへん?」
電話越しに聞こえる店長の関西弁は上機嫌だ。その頃、筆者はとある攻略誌の編集をしていた。90年代の初めにパチンコ業界に入ったが、パチンコ店はフィーバー登場以来最大の店舗数を記録し(1995年/18244軒)、CR機と4号機の全盛時代で攻略法も次々見つかるなど、この90年代は本質的な意味でパチンコ業界が一番元気で華やかな頃だった気がする。ただ、96~98年の「社会的不適合機」(※2006年の「みなし機撤去」も含め)の撤去で手打ち、デジパチと続いてきた古き良きパチンコ時代がリセットされてしまったのは、今でも残念でならない。
そんな90年代の終わりは、2回ループCR機がホールの主力となっていた。一方で80年代後半から続いてきた「攻略法」ブームは下火になり、それに反比例して「ゴト」行為が流行り始めていたのである。ゴト自体は「磁石」や「セル」などパチンコの草創期から存在していたが、この頃のゴトは「体感器」がムーブメントの中心だった。当時の体感器は低周波治療器などを改造した専用機が主流で、裏で高値で取引されていた。そのため、体感器のネタはありふれたものになっていたのだが、その没収された体感器が、電波発射装置を組み込んだ代物ということに俄然興味が湧いた。
一応触れておくと、ファンや関係者にとって「体感器」の使用は、当初「ゴト」ではなく「攻略法」と認識されていた。なので、一部の“熱心な”ファンも巻き込んで体感器は取引されていたが、体感器を効果的に使うには練習も必要で、一般的なファンにはおよそ使いこなすことが難しい道具でもあった。
また、当然ながら体感器は使用禁止の店舗がほとんどで、トラブルも多かった。当時はまだ「攻略」と「窃盗」の線引きは曖昧で、係争中の事案も多く「体感器≒違法」という状況だった。
その後、通常の遊技方法では無いという理屈で「窃盗罪」が適用されるようになり、2007年に最高裁判決が出て「犯罪」になったという経緯がある。それでも内部のプログラムを「自爆消去」する機能のついた体感器で不起訴処分になった事案もあり、ゴト師たちの執念たるや、呆れるしかなかった。
ゴト師を捕まえたホール店長からの電話
当時は体感器も攻略法だった
元パチンコ雑誌編集者。ライター、編集者。パチンコ業界歴は30年近い。現在は業界誌の他WEB媒体に転職系や占い、オカルト系記事なども執筆中
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