恋愛・結婚

「コロナで会えない」外国人彼女に送金、会社を解雇された40代男性

「そういう商売」の外国人彼女に貢ぎまくる

ドリンク ここで時系列が飛んでしまうが、ご容赦いただきたい。時は2年前、新型コロナウイルスがこの世に現れる前のことだ。  Bさんは余暇を使って旅行をした。行き先は海外である。その国——日本より遥かに物価の安いフィリピンで、Bさんはひとりの女性と出会った。 「単刀直入に言えば、そういう商売の女性です。その旅行の間でBさんは彼女と寝て、帰国後も連絡を取り続けました。わざわざ有給休暇を消化してフィリピンへ行くこともありました。向こうで彼女の家族にも会ったそうですよ。ええ、婚約しちゃったんです」  Bさんは彼女を日本に呼ぶつもりで、マンションを購入した。単身で住むにはあまりにも大きい3LDKの部屋である。  しかし、彼女は今も来日していない。 「向こうは新型コロナのせいで来日できないと言ってるそうですが、まあ……普通に考えたら、Bさんに貢がせているわけですよね。本人から話を聞くと、どうやら日本からの送金に彼女の家族全員が群がっているみたいで。ただ一番の問題は、Bさん自身に“貢がされている”という自覚が皆無な点です」 「で、Bさんはもう解雇されたんですよね? マンションのローンとか今後の送金とかはどうなるんです?」  筆者の問いにAさんは、 「知りませんよ、そんなの」  と、眉間に皺を寄せた。 「私がBさんに対して大恩があるのは事実ですけど、それを帳消しにして余りある罵詈雑言を最後の最後に言い放ちましたから。“Aは出世のために俺を踏み台にした”だの、“お前は本社の密偵だ。他の営業所でも同じことをやってるんだろう”だの。自分はこんな男のために自腹を切って着服を隠そうとしていたのかと、恥ずかしくなってしまいました」

住宅ローンを抱えた40代無職

 他人の恋愛についてとやかく言うつもりはないが、これもまた「コロナ禍の景色」のひとつであることは間違いないだろう。  まだまだワクチンが出回らない状況下で、Bさんは最悪の形で失職してしまった。それについてAさんは、こう付け足した。 「Bさんはひとつの業種しか知らない人です。しかもその業種は、新型コロナで大きな損失を被っています。同業他社への再就職は、まあ早くても来年あたりにならないと望めないでしょう。それまで住宅ローンを抱えているBさんがどうやって生きていくのかは……すいません、やっぱりこの話はやめましょう」 <取材・文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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