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ライドシェア導入で起こる“災難・トラブル”は?海外での実体験から予想できること

 日本でも4月から「日本版ライドシェア」のオペレーションが始まる。とはいっても、「日本版ライドシェア」というひとつの巨大計画が全国各地で一斉に始まるわけではなく、自治体やタクシー会社がそれぞれ別にライドシェアを構想しているというのが現状だ。そもそも、日本版ライドシェアは本来のライドシェアとはまったく別物……という意見もテクノロジーライターから出ている。
ライドシェア

※写真はイメージです。以下同

 では、「本来のライドシェア」とは何か? この記事では、筆者が実際に海外で体験した「ライドシェアにまつわる災難・トラブル」をご紹介しながら、ライドシェアについて解説していこう。

その1:一方通行の道路で予約するとキャンセルされる可能性大

 ライドシェアのドライバーは、いわゆる「タクシー免許」を持っていない。一般ドライバーが利益を得るために営業しているのだ。 「それで安全が保たれるのか?」という声があるが、実は問題ない。ライドシェアのドライバーは例外なく「見える化」されており、しかも利用者がドライバーを評価できるのだ。評価の低いドライバーは、アプリからBANされる仕組みである。  それと引き換えのシステム……かどうかは分かりかねるが、ドライバーは乗客を選択することができる。つまり、利用者が配車を手配してそれが見事マッチングした後、何らかの理由でドライバーがキャンセルしてしまうという出来事が少なからずあるのだ。しかもその理由が、実にくだらないものだったりする。  海外でライドシェアをスムーズに利用するコツとして、一方通行の道路では極力配車依頼をしないというテクニックが挙げられる。なぜなら、その車の現在位置によっては一方通行の道路へたどり着くのに時間と手間がかかるからだ。「もっと俺が楽に行けるところでピックアップしてくれ」ということだが、そうであってもこれはドライバー都合のキャンセル。利用者からしてみればたまったものではない

その2:Googleマップを読めないドライバー

 また、特に東南アジアのライドシェアは「ドライバーに地理感覚がない」ということも。  上記の一方通行の道路と同じく、大通りから離れた細かい路地をピックアップ地点に指定してもキャンセルされたりする。あるいは配車依頼を引き受けてくれたはいいが「そこは分かりづらいから、もっと目立つランドマークに来てくれ」と指示される場合も。  ライドシェアのアプリはGoogleマップと連携しているのだが、そのGoogleマップすら読めないドライバーも珍しくない。なぜなら、そのドライバーは地方から都市部へ出稼ぎに来ているため、「地元っ子」ではないから……というこれまたしょうもない理由である。
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ライドシェア利用者を狙う「本物の白タク」も…
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ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー

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