エンタメ

小山田圭吾も自分の立場を勘違い!? 東京五輪クリエイターの「バカの壁」

発言内容に弁護の余地はない

 クリエイティブディレクターの佐々木宏が、開会式で渡辺直美をブタとして登場させるプランを提案したことも、その前後の会話や、演出プロジェクトの問題点などを知れば、少しは理解できる部分があったかもしれない。(ところで、結局開会式には出演出来ずじまいだった、渡辺直美だが、私としては得意のビヨンセのものまねで登場して、後に「ご本人さん登場」のドッキリ演出が希望だったけど。どうだろう?)。  小山田圭吾の発言も「いじめ紀行」という、加虐体験を語る、実にセンスのない、雑誌の連続企画で行われていて、そのゲストとして呼ばれた彼が、歪んではいるがサービス精神で大げさに言っている可能性もある。小山田圭吾は、バカな編集部、ライターの被害者とも言えなくもない。そう考えると、過去の発言1つを切り取って、人を断罪することはとても危険なことのように思える。まぁ、小山田圭吾の発言は弁護の余地がないけれど。
『クイックジャパン』

「いじめ紀行」が掲載された『クイックジャパン』Vol.3。

バカさ加減が最も際立っていたのは……

 それにしても、なぜ小山田圭吾はオリンピックの音楽制作などやりたがったのだろう。自らが歩んできたストリートカルチャーの世界とは水と油の性質なのに、なぜのこのこ顔を出したのだろう? 分をわきまえれば、恥をかくこともなかったのに。それは小林賢太郎も同じだ。これも、年齢を重ねて内面が変化し、権威欲、名誉欲が強くなったこと、つまり人間の流転が、原因だったと説明ができそうだ。  今回の騒動でそのバカさ加減が最も際立っていたのは、大会組織委員会だ。小山田圭吾の発言は10年も前から問題視されていたにもかかわらず、それに気づかずに起用してしまうなんて、その仕事の出来なさは迷惑にもほどがある。これも「世間の評価」をその人間そのものだと思い込み、それが絶対に不変であると勘違いしたことが原因であると言えるが、それにしても程度が低い。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
1
2
おすすめ記事