STU48薮下楓・最後まで笑顔でアイドル生活に幕を閉じる
瀬戸内7県を拠点に活動するSTU48の1期生・薮下楓(20歳)の卒業コンサート『楓がいたこと』が今月8日、兵庫県の神戸国際会館こくさいホールで行われた。‘17年3月に結成されたSTU48にとっては初めての卒業コンサート。
今回のステージは薮下の名前“ふう”にちなんで気球や風船、彼女の好きな紫色で彩られた。「ステージ上の楓ちゃんはいつも笑顔だから、こっちも笑顔になる」とメンバーたちが口を揃える。そんな彼女自身も、「泣いても最後まで笑顔で」と心に決めて臨んでいたという。
1曲目「少女たちよ」のイントロで、「最後までアイドルを頑張りますので見守ってください!」と会場に呼びかけて、ライブがスタート。続いて、STU48のデビュー曲「暗闇」や「風を待つ」などを全力パフォーマンス。
“ふうちほ”という親友コンビで知られる石田千穂とは「短日植物」「思い出のほとんど」を披露。歌の出だしで石田が涙で声が詰まる場面も。最後には手を取り合って、薮下は何度も「ありがとう」と伝えていた。
姉が元NMB48・薮下柊ということも注目を集めた彼女。ユニットパートで披露したNMB48の楽曲『虹の作り方』ではお姉ちゃんのポジションを務めた。
同曲がリストに決まったときに担当メンバーとして声を掛けられた甲斐心愛は、「この曲はずっとやりたいなと思っていて。そんなときに『心愛がやりたかったやつじゃろ?』って。それで号泣。いつもそういうことをさり気なく言うからズルいんよ」と話すと、ほかのメンバーたちも「ほんまやね」とうなずいていた。
初代キャプテンでAKB48兼任メンバーの岡田奈々(23歳)はVTRで登場。「ふうちゃんは初期の頃から人一倍、責任感が強くて、STUをずっと支えてきてくれて。ツラいときも笑顔を見せて、メンバーも、ファンの皆さんと同じようにふうちゃんの笑顔に元気をもらっていました。卒業しちゃうのは寂しいけど、卒業したあともふうちゃんの人生が楽しいものになればいいと思うので、自分の思う道を進んでほしいし、一緒に背中を押してあげましょう!」とコメント。
アンコールではワンショルダーの白ドレスに着替えた薮下が登場して、「フラワー」をソロで披露。続いてメンバー全員が彼女を囲みながら、STU48の初オリジナル曲「瀬戸内の声」を披露した。
最後のMCでは「私が結構わがままだったりすることもあるんですけど、ファンの方はいつも優しく支えてくれて、肯定してくれる言葉をくれて。私も返したいと思って頑張れたし、そういう気持ちのやりとりは幸せな時間でした」と、あらためて感謝を伝えた。卒業後は芸能界も引退する彼女。いつまでも拍手が鳴りやまない会場を見渡して、「私はみなさんのことをずっと覚えているので、みなさんも時たま、『ふうちゃんのこと好きだったなあ』って思い出してくださると嬉しいです!」と、瞳を潤ませながら最後の笑顔を見せた。
SPA!本誌に初登場した際のインタビューでは、「お姉ちゃんと比べられることもあるんですけど、自分らしさを出していきたい」と語っていた彼女。ひたむきに、誠実に、アイドルと向き合ってきた4年半。薮下楓の名前は、しっかりとSTU48の歴史に刻まれた。
取材・文/吉岡 俊 写真提供/STU
涙で声が詰まる場面も
卒業後は芸能界も引退
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