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コンビニバイト初日に先輩から「なめるなよ」。若者に偏見をもつ中年たち

「若い」というだけで偏見の目

嫌味「家が商売をやっており、銀行に助けられたという話を聞き、念願だったメガバンクに就職しました。辛いこともあるのだろうけど、顧客に感謝されるような仕事をしたいという思いがありました」  都内の大手銀行行員・吉川綾さん(仮名・20代)は、入行3年目。配属は小さな支店ではあるものの、中小企業への融資を行う部署に在籍し、コロナ禍で困窮した事業者たちに寄り添い、仕事に奮闘している。しかし入社後の研修を経て配属された部署の上長は、吉川さんら新入行員を目の前に、こう言い切ったのだという。 「今どき銀行に入る若者なんて、よほどあざとい生き方をしてきたか、勉強しかできない連中だ、と。最初は意味がわかりませんでしたが、後から考えると悔しくて。努力して、夢を持って入行したのにあんまりです」(吉川さん、以下同)  大銀行が「安泰」だったのは遠い昔のこと……そんな現実は、当然新入行員も肝に銘じていたし、それでもなお銀行に入り、やりたいことがあるという高い志があった。しかし、上長は若いというだけで新人をいびり、かつての価値観に沿う形で、吉川さんらを罵倒したのである。 「若者が嫌いなんだろう、と感じました。パワハラやセクハラとも違う、気持ち悪い感じ。少なくとも、私の周りにはああいう大人はいません。大人はもっとしっかりしている、頼ることができると思っていただけに、絶望感は半端なかったです」

名前を見て「キラキラネームだな」

 突然、若者に暴言を吐いたり、嫌味責めをするという大人たちに共通するのは何か。自身も取引先の社長から暴言を吐かれたという日米ミックスの会社員・酒巻ユリアさん(仮名・30代)がいう。 「私の場合、名前だけをみて『キラキラネームだな』と年長者に言われることがよくありますが、正直慣れてしまいました。でも、この慣れがいちばん危険だと思います」(酒巻さん、以下同)
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相手の気持ちを想像できない人たち
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。

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