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コロナ禍で二度の転職、年収800万→250万でも「充実している」ワケ

 コロナ禍が長引くなかで、会社の経営不振や生活環境の変化により、「転職すべきかどうか」について悩んでいる人も多いだろう。実際にコロナ禍で会社を飛び出した人たちは、その後どうなったのか。今回は2人の事例を紹介する。

コロナ禍で二度の転職を経験

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※写真はイメージです(以下同)

 田部実さん(仮名・20代)は、コロナ禍で二度の転職を経験している。大学卒業後、人材サービスを主軸事業にしている会社に6年間勤めていた。年収は800万円前後もらっていたという。 「年収には理由があります。残業が多く、だいたい1日3時間以上。私は法人営業職だったこともあり、クライアントの時間に合わせざるを得ない日もありました」  田部さんは平日のプライベートな時間が皆無だった。そして、体力に限界を感じて転職を決意。1か月の有給休暇を取得し、友人とゆっくり旅行しながら考えようとしていた矢先、新型コロナウイルスの流行が始まった。 「時間のゆとりを求めていたので、通勤時間が短くて残業がない企業を探しました。中小企業で残業がなく、事務仕事だったので年収は300万円ほどで大幅に下がりましたが、当時の私の意向にマッチしていたので嬉しく思っていました」

転職先はリモート不可、職場でマスクを着けない社員も

 当初は転職して良かったと感じていた田部さんだったが、月日が経つにつれて徐々に勤務先のコロナ対応に違和感を覚えるようになった。 「中小企業なので仕方がないことかもしれませんが、事務作業中心にもかかわらず、いつまでも在宅勤務に移行しないことに疑問を感じていました。繁忙期だからと休日出勤も始まり、満員電車に乗らなくてはならないことにストレスも感じ始めていました」  また、狭い空間に向かい合わせで作業をするなか、マスクを着用しない社員も少なくなかった。それに対して、だれも指摘しないことに嫌気がさした。 「自分が納得して入社した会社でしたが、今までに感じたことのない新型コロナウイルスへの不安からくる、さまざまなストレスに押しつぶされそうになり、入社から1年経たずして退職しました」
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年収800万円→250万円、それでも充実した日々
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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