仕事

大手飲食チェーンの“やり手”店長が無職に。コロナ転職の厳しい現実

「収入のことを考えると辞めるべきではなかった」

 世界中の人々に不幸をもたらせた「コロナ禍」。仕事のスタイルや生活環境の変化を余儀なくされるなか、転職を考えている人も少なくないはずだ。とはいえ、その業界で長く働いてきた場合には、他業種への転職は簡単ではない。
飲食店

※写真はイメージです(以下同)

 飲食業界が幾度となる緊急事態宣言に伴い苦境に立たされていることは言うまでもないが……。 「当時の年収は450万~500万円程度ありましたが、今は無職で収入はありません。お金のことを考えると辞めるべきではなかったのですが、それよりも仕事をする環境を選びました」  全国展開している大手飲食チェーンに勤務していた鈴木拓郎さん(仮名・40代)が、コロナ禍での苦い経験と辞めた後の状況を赤裸々に語る。

“売り上げを立てられる店長”を襲った悲劇

「入社して以来、退職するまで約20年間勤めてきました。私がいた北海道の繁華街には多くの店舗が展開されています。店長の役職をいただき、2店舗を運営する立場に立っておりました」  退職の決め手となったのは異動だった。 「売り上げが悪い店舗に、売り上げが良い店舗の店長が異動することはよくありました。“運”の要素もありましたが、私は“売り上げを立てられる店長”として、1年に1度のペースで異動を命じられていました」  ちょうどコロナ禍の初期で鈴木さんは異動することになったのだが、この頃はそこまで流行しておらず、飲食業界に大きなダメージはなかったという。  そんな鈴木さんの運が尽きる。
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コロナの流行で売り上げは前年比50%減少
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