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サッカー日本代表、2試合で1得点の最終予選。「大迫の代わりがいない」という不安

オナイウは大迫の後継者ではない

大迫勇也

大迫勇也、10月4日に行われた事前合宿より 写真提供:JFA

 ただ、はっきりさせておかなければならないのは、オナイウは大迫勇也の後継者ではないということだ。現在の日本代表において不動の1トップとして地位を確立する大迫だが、その代わりがいないことをずっと懸念されている。発表時には大迫とオナイウの2人だけがFW登録だったことから、オナイウは大迫の代わりと思われがちだがそれは大きな勘違いである。オナイウは所属チームでは主に2トップのシステムでプレーしており、プレースタイルも相手を背負ってプレーするトップというより、相手のマークを外してゴールへ向かうセカンドストライカーとして活躍している。  システム的な役割という意味では、セルティックへ移籍して3トップの中央や1トップとしてプレーする古橋のほうが日本代表の大迫に近い形でプレーしている。とはいえ、古橋も俊敏性を生かして相手のマークを外してゴールに迫るプレーを得意としており、どちらかといえばセカンドストライカーを得意とする選手だ。これを踏まえると、オナイウも古橋も日本代表でポジションを争う相手は大迫ではなく南野拓実や鎌田大地となる。

人に合わせた戦術を用いられるか?

サッカーボール

写真提供:JFA

 森保一監督は、日本代表には日本代表のコンセプトとがあり所属チームとは異なる役割を理解してもらわなければならないと常々言及している。そのことを考慮すると、オナイウや古橋をセカンドストライカーではなく1トップとして起用することも十分にあり得る。だが、そのまま彼らを大迫の位置にはめ込んでも得点できるようになるとは思えない。  むしろ、彼らの良さを引き出せるような戦術を用いることができるかがポイントになるだろう。森保監督は人が変われば戦術も変わると言い続けており、起用するメンバーによってゴールへのアプローチが変わってくることを示唆している。前線でのキープ力に長ける大迫を起用するときと、相手との駆け引きで上回り、ゴールに迫ることを得意とするオナイウを起用するときとでは、チャンスメークが異なってくるはずだ。大迫以外のFWが活躍できる組み合わせを見出せると、日本代表は新たなオプションを手に入れることができる。それを10月の2連戦で確立できれば、おのずと最終予選の突破も見えてくるだろう。 <文/川原宏樹>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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