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しまむらの業績がコロナ禍でV字回復。他アパレルと明暗を分けたのは

他アパレルと命運を分けたのは立地条件

国道

※画像はイメージです(以下同じ)

「店舗を改善させても外出自粛が続くコロナ禍では大幅減収となるはずでは?」と思われるかもしれませんが、しまむらが他のアパレルと命運を分けたのは立地条件にあります。確かに駅前繁華街の人口は減りましたが、その分、消費者は密になりにくい郊外型店舗に流れました。  公式サイトではビジネスモデルの「出店/立地開発」の項目で「郊外のロードサイドへの出店は、15,000世帯程度の小商圏を前提に、高い占有率を確保することを基本としています」と、わざわざ明記するほど、ロードサイド(郊外)を意識しています。  ちなみに牛丼チェーンでも駅前に集中する吉野家、松屋が不調ななか、郊外に多いすき家は減収幅が少なかったようですし、ホームセンター業界が好調な理由も同様と言えます。

業界の流行を取り入れたことが功を奏す

 9月に公表された最新の22年2月期第2四半期(2~8月)の成績も前年以上です。売上高は2846億円、営業利益253億円、四半期利益174億円とそれぞれ12%、59%、66%と大幅な伸びを記録しています。  引き続きPB、サプライヤー共同開発商品が成功したほか、インフルエンサーやキャラクターを駆使した企画商品が客数増加に貢献しました。安い服を買いに行くためというイメージがあった「しまむら」は、他のアパレルのように流行要素を取り入れたことで業績改善につながったようです。  ちなみに17年12月時点で1万2000円台だった株価は、業績悪化によって20年4月には6000円を下回りましたが、その後はコロナ禍での好調が牽引し、2021年4月には再び1万2000円台を突破しました。現在も業績は好調ですが、特に材料がないためか1万円弱を推移しています。
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長期では不安要素も抱える
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