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キユーピー、多様化するマヨネーズの裏側 「ハーフの発売には賛否があった」

天気予報のように欠かさず放送を続けるあの番組

 さらに、キユーピー マヨネーズの魅力を伝えるために長年行っているプロモーション活動も、ブランド想起を生む要因になっているそうだ。 「プロモーション活動においても、時代を反映させ、常に新しい食提案をしていくという根底は変わりません。テレビCMなどは、キユーピーらしさを大切にしてトンマナが崩れないようにクリエイティブを統一し、キユーピーの世界観が普遍的に伝わるように意識しています。また、『キユーピー3分クッキング』は60年近く続いており、世界一長い期間放送されている1社提供の料理番組としてギネスに認定されています。  開始当初から『天気予報のように毎日絶え間なく、料理のヒントとなる情報を届けたい』という思いのもと継続してきました。時代を捉えたレシピや料理を紹介し、まさに『継続は力なり』というのにふさわしく、地道に続けてきたことで、キユーピー マヨネーズのブランド認知向上に寄与したと考えています」

時代の変遷とともに健康ニーズを汲んだ展開

キユーピー

キユーピー マヨネーズの商品ラインアップ一覧

 そんなキユーピー マヨネーズだが、現在(2021年10月)は11種類の商品が展開されている。通常のマヨネーズのほか、健康を意識したカロリーカットのものや特定保健用食品、機能性表示食品のものまで実に幅広いラインアップと言える。スタンダードなマヨネーズのみならず、横展開させて品揃えを広げているのは「常にキユーピー マヨネーズが新しい存在であり続けるため」だと渡辺氏は説明する。 「キユーピー マヨネーズは発売当時から『日本人の体位向上に貢献し、健康的な食生活を送ってもらいたい』という創始者の想いを大切にしてきました。時代とともにライフスタイルはもとより食ニーズも変わってくるなかで、いつの時代でも新しい存在として新しい食文化を広めたいという考えを重視しています」  なかでも1991年に発売した「キユーピーハーフ」は、従来のマヨネーズよりもカロリーを半分に抑えたもので、飽食の時代に求められる健康を意識した商品として世に出した。 「『これまで培ってきたキユーピー マヨネーズの魅力を否定することになるのではないか?』など、社内でも発売の是非についての議論がありましたが、サラダ調味料として健康に貢献していくという思いから、商品化が実現しました。以降も、健康を軸にした商品を広げ、お客様のニーズに沿った商品を出せるように開発してきたんです」
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変えるべきか否かを判断するのが難しい
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