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<前編>23歳で他界した京大院生が明かした「最初に死にたいと思ったときのこと」|山口雄也×yuzuka

「みんな、死ぬときだけ寄ってくるんやな」

『「がんになって良かった」と言いたい』(山口雄也+木内岳志)

『「がんになって良かった」と言いたい』(山口雄也+木内岳志)

「死にそうなときだけ、人が寄ってくる。その事実が、僕をたまらなく死にたくさせました」  冒頭の言葉は、ここで出たものだ。白血病と診断された山口さんのもとには、また多くの人からの応援メッセージが届くようになった。 「振り返ってみると、最初にがんが発覚したときはもちろんコロナとかもなくて、たくさんの人がお見舞いに来てくれたんです。SNSでもたくさんメッセージが届きました。お見舞いの品が届くこともあった。自分ってひとりじゃないんだな、必要とされているんだなって思えた。だけど、退院したらサーっと人が引いていって、ひとりになった感覚がありました」  卑屈なのはわかっているけど、と山口さんは力なく笑う。 「みんな、死ぬときにだけ寄ってくるんやなって思うと、虚しくて」  退院後、勉強に身が入らなくなったのも、孤独感から来ていたのかもしれない。 「闘病生活をしているときは、生きたい!と思わせる刺激があったのに、それがなくなった気がして」  そんな心境の真っ只中に受けた「白血病」の診断。再び幕を開ける入院生活を前にして、彼は絶望を感じるどころか、歪んだ希望を感じたのだという。 「ずっとずっと死にたいと思っていたのに、病気になって応援されたら、また生きたくなった」  その言葉を絞り出した山口さんの声は、震えていた。 【後編へつづく】⇒<後編>「僕らは一緒かも」享年23歳の京大院生が遺した“死にたい人”への想い|山口雄也×yuzuka 【他の回を読む】⇒「yuzukaの人生相談」の一覧はこちらへ 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます <取材・文/yuzuka> ※女子SPA!より <悩みを抱えたときの相談先> ・こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 ※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。(一覧はこちら) ・#いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク) 0120-061-338(フリーダイヤル・無料) ※毎日12時から22時 ・よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター) 0120-279-338(フリーダイヤル・無料) 岩手県・宮城県・福島県から 0120-279-226(フリーダイヤル・無料) ・いのちの電話(一般社団法人 日本いのちの電話連盟) 0570-783-556(ナビダイヤル) ※午前10時から午後10時。IP電話(アプリケーション間の無料通話を除く)からは03-6634-2556(通話料有料)へ。 ・厚生労働省「まもろうよ こころ」 ※電話相談、SNS相談の方法や窓口の案内
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