89歳の現役美容部員の半生「夫を亡くし、これからは自分の人生を作ろうと思った」
89歳の現在も現役のビューティーディレクター(※)として働き、化粧品の魅力を手ずから伝える“魔法の手”の持ち主としてウォールストリート・ジャーナルにも紹介されたポーラの飯田芳子さん。12月には90歳を迎えます。
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――飯田さんは、未経験のまま化粧品販売のお仕事に飛び込まれたそうですね。お仕事を始められたきっかけは……?
飯田芳子さん(以下、飯田)「21歳で結婚して、30歳までは専業主婦だったんです。外で働いた経験はありませんでしたが、化粧品販売をしていた知人に『やってみない?』と誘われまして……。『私にできるかしら?』と思ったけれど、とくに難しい手続きもありませんでしたし、訪問販売が主な時代でしたので風呂敷に包んだ化粧品を持って知り合いを回ったのが始まりですね。
風呂敷を抱えて大きなお家の門を押したら、『いらっしゃい』と言われまして。そこの奥様が『あなたね、この仕事は笑顔が大事よ。あなたの笑顔はとてもよかったから、それを忘れるんじゃないよ』とおっしゃったんです。
それで、『あなたのところでいちばん高い香水を持ってきてちょうだい』と言われ、香水を持って戻ると、『はい、お代よ。それと、これはあなたの足代に』って300円くださったんです。『こういうこともあるんだ。この奥様は指導の神様だな』と思いまして、次のお宅に伺うときはニコニコ笑って行ったんです。
そうしたら、そこの奥様にも『何笑ってるの? 上がっておいで!』と言っていただいて。上がってお肌のお手入れをしてさしあげたら『とても気持ちがよかったわ。じゃあその化粧品セットいただくわね』と、買ってくださったんですよ。それでけっこう自信がつきまして。お客様に喜んでいただけて、お給料もいただけるなんて最高だな!と思いました。以来、89歳の今まで化粧品販売の仕事を続けています」
約60年にも及ぶキャリアを支えた心の持ちかたと、大切にしている言葉を伺いました。
(※ポーラの販売員のこと)
【女子SPA!より転載。リンクなど元記事に移動します】⇒
31歳の時に知人に誘われポーラの販売員に
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