日本性機能学会が提唱する「勃起の硬さスケール」
EDの定義で使われている
「十分な勃起」の目安として、日本性機能学会は「勃起の硬さスケール」を提唱している。EDかどうか、またその程度を簡単に診断できる評価方法として米国で開発されたEHS(Erection Hardness Score)の日本語版である。グレード0から4までの5段階あり、2009年に開発された。
「あなたは自分の勃起硬度をどのように評価しますか?」という問いに対して、段階に応じた5つの答が用意されている。それぞれの内容は次の通りだ。
グレード0=陰茎は大きくならない
グレード1=陰茎は大きくなるが、硬くはない
グレード2=陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない
グレード3=陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない
グレード4=陰茎は完全に硬く、硬直している
この評価方法のポイントは「陰茎の硬さを大きさや挿入との関係で捉えている」ことだろう。例えば、グレード0と1では、硬さ以前に「陰茎が大きくなるかならないか」を目安にしている。同様に2と3では「挿入に十分な硬さかどうか」をよりどころにしている。
読者のみなさんの自己評価はいかがだろうか。勃起時のわが身の状態がグレード0から4までのどれに当てはまるのかを判定するのは容易ではない。
人情として、少しでも上位のグレードでありたいと願うからだ。
そこで「勃起の硬さスケール」を補い、自己診断をしやすくするため、2009年3月に取り入れられたのがそれぞれのグレードを食べ物の硬さに置き換えるユニークな方法だ。各グレードと対応する食べ物は次の通りである。
グレード0=想定なし
グレード1=こんにゃく
グレード2=みかん
グレード3=グレープフルーツ
グレード4=りんご
グレード0を除き、
どの食べ物も指先で押したときの感触をたやすくイメージできるため、勃起の陰茎の硬さを想像しやすいのが利点。細かなことを言えば、果物には熟し方の違いや品種の差がある。だから、必要以上に果物の名前に捉われることはない。
果物による判定方法はEDを疑う際の目安にもなる。例えば、
グレード2以下の場合はEDである可能性が高く、グレード3はグレーゾーンと考えられる。
ジャーナリスト。元新聞記者、雑誌編集者。新聞、雑誌、Webなど、さまざまな媒体に携わりながら、一貫して取材、執筆、編集業務に従事。日本性機能学会、日本メディカルライター協会会員
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