サッカー日本代表、負けられない中国戦。守備の要が不在で勝ち抜けるのか
W杯アジア最終予選は佳境に
そして、1月27日には中国代表との試合があり、2月1日にはサウジアラビア代表と戦うことになっている。その2戦を戦うために以下のメンバーが招集された。 GK 川島永嗣(ストラスブール) 権田修一(清水エスパルス) シュミット・ダニエル(シントトロイデン) DF 長友佑都(FC東京) 酒井宏樹(浦和レッズ) 谷口彰悟(川崎フロンターレ) 山根視来(川崎フロンターレ) 植田直通(ニーム) 板倉滉(シャルケ) 中山雄太(ズヴォレ) 中谷進之介(名古屋グランパス) MF/FW 大迫勇也(ヴィッセル神戸) 原口元気(ウニオン・ベルリン) 柴崎岳(レガネス) 遠藤航(シュツットガルト) 伊東純也(ゲンク) 浅野拓磨(ボーフム) 南野拓実(リバプール) 守田英正(サンタクララ) 前田大然(セルティック) 堂安律(PSVアイントホーフェン) 田中碧(デュッセルドルフ) 久保建英(マジョルカ) これまでセンターバックを務めていた吉田麻也(サンプドリア)と冨安健洋(アーセナル)が、負傷のため招集を見送られた。緊急事態の発生で今回の2試合を不安視する声が挙がっている。森保一監督は選手間の「連係・連動」を重んじ、これまでの戦いでは比較的にメンバーを固定してきていた。ワールドカップ予選という長丁場を戦う上でこのような事態を想定していなかったわけではないと思うが、試合結果やスケジュール的に余裕がなく試せなかったのも事実である。本来であれば、21日にウズベキスタン代表との親善試合が予定されており、そこで国内組を中心としたバックアップメンバーを実戦で試せたはずだったのだが、オミクロン株の流行により中止となってしまったことは不運と言わざるを得ない。
コミュニケーション不足に不安は?
振り返ると、今回のワールドカップ予選は相手以前に取り巻く環境との戦いがある。新型コロナウイルスの世界的なパンデミックにより、サッカー以外に時間を取られることが多くスケジュール的な余裕が一切ない状況で試合を迎えている。それは相手も同じと思われがちだが、国によって隔離期間や条件が異なるため決して同じにはならない。ましてや国外組の多い日本代表にとっては国際的な移動が常に枷となってきたのは否めないだろう。しかし、今回の2連戦はいずれもホームでの開催。ウズベキスタン戦こそ中止となったが、各選手の渡航については予定どおりとなっている。 「連係・連動」を重んじる現在の日本代表にとってコミュニケーションは必要不可欠で、その精度を上げるためにはある程度の時間が必要になる。今回は負傷者の続出しているものの、環境的な想定外はなく順調に調整を進められている。むしろ、負傷者は想定内の出来事なはずなので、個人的にはそれほど不安視はしていない。代わりにチャンスを得た選手が序列を入れ替えるくらいの活躍を見せてほしいと期待している。 そのひとりが板倉滉である。東京オリンピックでも吉田、冨安に続く3番手だったが、出場したときには2人の穴を感じさせない活躍を見せた。その実績を考えれば、不安よりも期待のほうが高まる。板倉本人も「楽しみではありつつも、ここでやらなきゃいけないっていう気持ちのほうが強い。ここで勝ち点3を取れなかったら終わりと思ってきてるので、そういった強い気持ちは持っています」と、オンライン会見で意気込みを語っている。 板倉は「誰と組んでも変わりはない」と言うが、コンビを組むもうひとりのセンターバックは「連係・連動」を重んじるなら谷口彰悟をチョイスしたい。川崎フロンターレでのプレー経験があるが故、板倉と最も意思疎通できるのは言うまでもない。さらに、中盤で田中碧と守田英正が出場するなら、いずれも川崎での経験が生きるメンバーで意思の疎通で新たに時間を要する必要がない。この4人が同時に出場するメリットは、攻撃のスイッチとなる縦パスのタイミングが合致するというところ。川崎で培った「連係・連動」を日本代表にももたらせれば、攻撃の機会は多くなることだろう。 また、負傷から復帰し上向きな久保建英にも期待したい。招集外だった間に日本代表はシステムを4-3-3に変更している。久保はその4-3-3への意欲を語っている。 「今はどちらかというと前のポジションで落ち着いていますけど、昔は4-3-3のインサイドハーフばかりで試合に出ることがあってので、全然できると思います。とはいえ、インサイドハーフというより3ボランチ気味になっていると思うので、前に厚みをかけるのだったらもっと上がったほうがいいかなと個人的に思っています」
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スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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