同性の上司の場合、女性社員には聞けないような話題も出てしまうこともあるようだ。 「特に嫌だったのがSさんは酔うと饒舌になって、“休みの日は何をしている？”って聞いてくるんです。“寝ています”とか適当に返すと、“なんで結婚しないの”ってしつこく聞いてくる。男性相手ならセクハラにならないと思っているみたいなので、よけいにムカつくんですよね」 　上司の仕事以外の面が気になって仕方がなかったという仲村さんだが、彼自身も仕事に情熱を持てずにいたという。 「マネージャー職を任されるようになり、仕事の役割分担をする際には、入社して2〜3年目の社員に面倒くさい作業は振っていました。僕は当日の仕切りさえきちんと行えばよいと思っていたので」 　しかし、そんな仲村さんの社内での評価も良いとは言えなかったという。仕事に対する微妙な態度に上司のSさんも気づいていた。 「Sさんは、基本的には経営に関する仕事が主になっていたため、僕にプロジェクトを任せっきりでした。しかし、社内での僕の評判を知ると、“仕事が楽しくないと、人生も楽しくない”と言ってきたんです。 　続けて、“仕事の名刺を使って、色々な人にコンタクトを取って会ってみろ”ってアドバイスを受けて。その考えはバブルっぽいと感じたのですが……。上司は前職でイベントプロデュースを担当した時、ある文化人に問い合わせをして出てもらったと言うんです」 　仲村さんは、ターミナル駅に新規オープン予定だった飲食店の宣伝をメインで任され、やりがいを感じた。