エンタメ

「歯医者が怖い」を変えたい。現役歯科医の斬新すぎる挑戦と決意

夢はカフェを併設した“コンセプト歯科”の開業

鹿乃さん

「コンセプト歯科」の夢を語る鹿乃さん

——鹿乃さんが目標にしている「コンセプト歯科」とは、どういったイメージですか? 鹿乃:歯医者に何年も行ってないという人が多いし、歯医者嫌いも多いということを配信していてとても感じさせられます。どうしたらいいんだろうって考えたときに、“推し”がいて、会いに行きたくなる歯医者って閃いたんです。 ——確かに、推しがいるなら会いに行こうってなりますね。 鹿乃:定期的に楽しく通ってもらうことが大事で、歯医者に行く理由はなんでもいいって思うんです。今は、アイドルやライバーをやっている歯科衛生士さんもいるし、将来的にそういう人たちとお仕事できたら楽しいって思う。歯医者に行くのが怖かったけれど、会いに行きたくて行くっていう。 ——男性患者が多くなってしまいそうな……。 鹿乃:女性の場合は、治療しながら手や足のネイルができたりする。美容もそこで完結できる歯医者さんを考えています。最終的には、歯医者にカフェを併設して、砂糖を使わない人工甘味料のお菓子を出すカフェを作りたい。また、お子さんの遊べるスペースも作り、家族で楽しんで通っていただける歯医者を目指したいです。 ——楽しそうな歯医者ですね。 鹿乃:あとは、“鎮静”と呼ばれる麻酔薬を使ってぼーっとリラックスした状態の治療ならば、恐怖心を感じず治療ができる。そのためには歯科麻酔の認定医の資格があるといいので、現在資格を取るために勉強中です。

配信で稼いだ費用は開業資金に

——具体的な目標に向かって、がんばっているのですね。 鹿乃:将来の開業資金としてライバーの収益を貯めているんです。YouTubeももう少しで収益化できそうなので、そのお金も開業資金として使わせて頂きたいと思っています。 ——開業には、いくらぐらい必要なのですか。 鹿乃:セミナーに参加した際に聞いた費用は場所にもよりますが、最低でも5000万円でした。従業員の給与が何か月分も必要だし、医療用の機材は高額なんです。いつか開業するときにはクラウドファンディングも活用したいと思っています。ライブ配信のリスナーさんも開業を応援してくれていて、早く通いたいと言ってくれている人たちなんですよ。  * * *  推しがいるから行きたくなる歯医者。歯医者嫌いが歯医者に行きたくなるために、彼女が考えたコンセプト歯科。歯の大切さを伝えていくという目標の裏には、鹿乃さんの歯医者としての絶え間ない努力と、表現者としての覚悟が見えてきた。 <取材・文/池守りぜね、撮影/藤井厚年>
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
1
2
3
4
おすすめ記事
ハッシュタグ