ーー確かに、それぞれの素材や量に徹底的にこだわれば、とても美味しくなりそうですね。しかし、たまごかけごはんといえば「ズボラめし」というイメージがあり、正直言って、醤油やご飯を、測るのも面倒臭く感じてしまいます。 上野：そういう方にオススメの作り方があります。まず、お茶碗と別皿に卵をといておきます。次に、硬めに炊いた熱々のご飯に醤油をかけます。「醤油ご飯」を作るんです。味見をしながら、好みの醤油の濃さになったところに卵をかけてください。これは、醤油の分量を図らなくてもベストのバランスが見つけられる「サンライズ」です。 ーーサンライ……なんですか？ 上野：醤油ご飯の夜空にたまごの太陽が昇るので「サンライズ」と命名しました。普段はどのように食べていますか？ ーー私は、茶碗にご飯をよそって、そこに卵と醤油ぶっかけて、ただ混ぜています。 上野：あぁ、「シューティングスター」ですね。 ーーはい？（笑）。いずれにしても、たまごと醤油をご飯に混ぜるので、出来上がりは同じだと思うのですが。 上野：シューティングスターは、一口目から食べ終わりまで、ずっと同じ「たまご醤油」の味ですよね。それが、サンライズだと、まずお米の周りに醤油がコーティングされて、その外側をたまごで包むことになります。 　これを食べると、口に入れた瞬間はたまごだけの美味しさが感じられて、徐々に醤油の旨味とコクが出てきて、最後にお米の旨みが追いかけてくるんです。サンライズは味のグラデーションが起こります。これは初めて食べた多くの人に感動していただいてます。