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たまごかけごはんを、最高に美味しくする方法。混ぜる順番でも味が変わる

たまごかけごはんの歴史を学んでみよう

ーーたまごかけごはんは、いつから食べられているんですか? 上野:初めてきちんと文献に登場するのは明治時代です。岸田吟香という実業家が、日本ではじめてたまごかけごはんを広めたと言われています。最初は、醤油ではなくて唐辛子と塩で食べたそうです。 ーーそれ以前にはたまごかけごはんは存在しなかったんですか? 上野:たまごはかつて高価だったので、簡単に食べられるものではなかったはずです。ただ、文献としては江戸時代に「お丼 生卵」という名前が出ていて、たまごかけごはんのようなものだったのではないかと思います。

世界から見た、たまごかけごはん

ーーたまごかけごはんは日本だけのものなのでしょうか? 上野:そうです。たまごが生で食べられるのは、日本の物流と高い冷蔵技術の賜物なんです。世界では「サルモネラ菌がいるので食べると危ない」というのが通説です。 ーーでは日本人がたまごかけごはんを食べているのは海外では驚かれるんですね。 上野:映画「ロッキー」に、シルベスタ・スタローン扮する主人公が、ジョッキで生卵を飲むシーンがあります。日本人には、素早く栄養補給をしなくてはいけないハードなトレーニングをしているように見えますよね。  しかし、海外では「たまごを生で食べると死ぬ」と言われる地域もいまだに存在するので、あのシーンは、自殺行為をしなくてはいけないほど、鬼気迫るトレーニングに見えるんです。スタローンさんには、生卵を飲んで何かあった時のために、ギャラと別に保険としてお金まで支払われています。  いつも「適当」に作ってしまうたまごかけごはん。しかし、適当の範疇を脱さない程度にでも工夫をすることで、格段に美味しくいただける。ズボラ飯が美味しくなることは、生活の中の幸福度がすこしだけアップすることにも繋がる。最後に本稿で紹介した以外の作り方(!?)もあげるので、是非、お好みの食べ方を試してほしい。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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