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「そうめんは“やっつけメシ”」と思っている人に足りない意識。マキタスポーツ流おいしい食べ方

料理の残り汁は捨てることができない

「いまこうして話してる間も実は頭の中では、自宅の冷蔵庫にある妻の作った豚肉と大根の煮物の汁をどうしようか考えてるんです。僕は料理の残り汁は捨てることができなくて、薬味を入れて食べたり、ご飯にかけたりして食べるのが好きなんです。フローチャートみたいに組み立てて、残り汁をどう1日の〆に楽しむのか考えます」  なかなか聞くことがない「食癖」だが、彼の妻も当たり前のように「この汁は取っておく?」と捨てずに冷蔵庫内に保管してくれるのだという。 「野菜炒めの残り汁を冷蔵庫に保管している」と初めて発言した際にはラジオ関係者にも驚かれたそう。周囲には理解されないことも多いが、本人は「別に大したことをするわけではなく、ごはんにかけたり、うどんの出汁の一部にしたりしているだけなんだけどね……インスタント麺も大好きなので、残り汁をベースでどうアレンジしようかと考えているのが楽しくて」と意に介さない。

満腹になると「想像する楽しさがなくなるから」絶望する

マキタスポーツ

料理の残り汁の再利用はなかなか周囲に理解されないことも

 こうした食に対するアイデアは「常に食について気にかけること」で生まれているという。特に食べることそのものよりも、食べることについて考えている瞬間が一番好きなのだそうで、最もこだわっているのは「空腹の境目」だと話す。 「『空腹になる瞬間』って捉えたことあります? お腹は気づいたら空いているものじゃないですか。だけどデスクワークとかして意識が自分に集中していると『今、空腹になった!』とわかる瞬間がある。その瞬間にくす玉が割れるみたいな感覚で。よし、次のごはんを食べることができるぞ! とテンションがあがるんですよ。逆に満腹な時は一番嫌いで絶望しているかもしれない(笑)。想像する楽しさがなくなっちゃうからね」  マキタスポーツ氏は「毎回の食事を『一食入魂』で楽しんでいる瞬間が生きてるって感じがする」と持論を述べるが、振り切った姿には憧れすら感じる。“食”は人間の3大欲求のひとつだが、世間の常識にとらわれず、自分なりの「食への偏愛」があれば人生が豊かになるかもしれない。 <取材・文・撮影/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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