同僚の「宗教勧誘」に職場は大混乱。偶然を装った“仕込み”の手口にあきれた
長引くコロナ禍の影響もあり、多くの人がストレスを抱える現代社会。漠然とした不安から、何かにすがりたいと考えることも少なくはないだろう。その一つに、宗教という選択肢もあるかもしれない。
離婚歴があり、女手ひとつで子どもを育てる良子さん(仮名・40代)は数年前、ある宗教団体に入信する知人から受けた勧誘の手口に辟易したという。
「きっかけは、職場の同僚のAさん(50代・女性)です。彼女は有名な宗教団体に入信していて、職場でも知られていました。私も何度か、『入ってみない?』とライトな勧誘を受けていて、そのたびに『無宗教なので』と断っていました」
入信を拒否したからといって、Aさんと気まずくなることもなく、良好な関係を築いていたそうだ。
「Aさんは、ハツラツとしていてよく笑い、職場のムードメーカーで人気がありましたね。職場のレクリエーションでバーベキューなんかも企画してくれて、本当に良い人だと思っていました」
しかし、そんな彼女の勧誘行為がエスカレート。職場でも大きな問題に発展したのだ——。
最後のライトな勧誘を受けた数か月後、Aさんと勤務時間が被った良子さん。退勤後、一緒に帰ることになったという。
「Aさんから『あそこのファミレスでお茶しない?』と言われたんです。私はシングルマザーで子どもの夕食を作らないといけないので、『30分なら大丈夫』と承諾しました。正直、一瞬ですけど『まさか、勧誘じゃないよな』という思いが頭をよぎりました。だけど、もう何回か断ってるし、さすがに大丈夫だろうと。普通、そう思いますよねぇ……」
しかし、その「まさか」が良子さんを待っていたのだ。
「店内に入って、店員さんが席に案内しようとすると、Aさんが突然、『キャー!』と叫んだんです。続けて、『Sさ~ん、久しぶり~!』と言い、ある席を目がけて小走りしていきました」
戸惑う良子さんを余所に、4人掛けのテーブルに1人で座っていた女性(Sさん)と話し込むAさん。そして、「こっちに来て」と、良子さんを呼び寄せたという。
「Aさんは、『5年ぶりにたまたま会った高校時代の親友だから、3人で一緒にお茶しよう』と言いました。嫌な予感はしましたよ。だって、そのSさんはAさんより随分と若い感じでしたもん。明らかに高校の同級生とは思えませんでしたからね」
「あの時に帰れば良かった」と振り返る良子さん。しかし、流れに逆らえず、3人でもお茶会はスタートしてしまう。
文化庁が発表した『宗教年鑑』によると、日本には180,544もの宗教法人があるという(数字は2020年12月31日までのもの)。近年、宗教信者数は減少傾向にあるようだが、それでもこれだけ多いからか、トラブルの話はよく聞くところだ。
宗教団体によっては、信者たちに献金や勧誘の実質的な「ノルマ」が存在しているとも言われているが、その手法や口説き文句については疑問視せざるを得ないケースもある。
同僚たちへの勧誘行為がエスカレート、職場は大混乱
ファミレスで高校の同級生と偶然の再会?
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ