恋愛・結婚

“初恋の相手”と久々の再会、デートのつもりが「宗教の勧誘」で頭がパニック

「宗教を抜けさせるのは正しいのか?」心の葛藤を感じる

 その日以降、エミからの連絡は無かった。塩田さん自身も「これ以上は無理だ」と感じ、特にアクションは取らなかったという。 「当時の彼女に何か言って、足抜けさせるのは難しいですよ。それに、宗教の問題には口を挟んじゃいけないと思っているんです。他人から見てどうであれ、本人は幸せかもしれないから。僕自身は信じないけど、だからといって『君はそのままじゃ不幸になる』と言っていいのか。彼女の家庭環境を考えたら、“信仰”に救われたのかもしれないし」  再会したのが社会人になってからでよかった。しんみりした声で、塩田さんは記者にそうこぼした。 「学生の頃だったら、自分が彼女を何とかできるんじゃないかと思っていた可能性があるので。ズルズル連絡を取って、もっとドロドロした展開になっていた気がします」  辛い再会から1ヶ月ほどは、心身にダメージが残った。「ネタにしないとやっていられない」と感じ、今でも鉄板のエピソードトークにしているそうだ。

「子供の頃に告白しておけば……」今でもよぎる後悔

「再会したその日、帰宅して速攻で友人に電話をかけたんですよ。そいつは全然同情せずにおもしろエピソードとしてしか聞かないようなヤツだったので、起こった事を全部話しました。この話は『ホントに酷いね』とか、他人に同情してほしくないんです。慰めてもらいたくないから、ネタにしてくれる人に話している。ウケるように、切ない部分は喋っていないですね」  塩田さんは「だからこの記事も、読んだ人が笑ってくれりゃいい」と気丈にふるまう。電話越しに聞こえる声は、乾いた笑いの中に哀愁を含んでいた。  もし会えるなら、もう一度エミに会いたいか? 記者の問いかけに、彼はこう答えてくれた。 「あえて会いたいとは思わないけど、会えたらちょっと嬉しいかもしれない。男は一度好きになった人をずっと好きでいる生き物だから。きっと普通に話をすると思います。子供の頃にちゃんと告白しておけばよかった、という後悔も無くはないです。恋心をちゃんと自覚する前だったから、無理な話だったけど」  好きな子にはちゃんと告白しておかないと、後悔にもならない後悔をする羽目になるよ。そう言って、塩田さんは「ちょっと切ない間抜けな話」と締めてくれた。 <取材・文/倉本菜生>
福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0
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