“初恋の相手”と久々の再会、デートのつもりが「宗教の勧誘」で頭がパニック
何歳になろうとも、「初恋の人」は忘れられないものだ。苦かったり甘かったり、初恋にはいろんな記憶と感情がつきまとう。大人になってふと思い出し、懐かしくせつない気持ちになる人もいるかもしれない。
「彼女とはいわゆる幼馴染。近所に住んでいて、小学校から中学まで一緒だったんです。ちょっと早熟で、性的な情報を男子よりも早く把握しているような子でした」
横浜でシステムエンジニアとして働く塩田隆さん(仮名・50代)は、懐かしそうな口調でそう語る。幼馴染のエミ(仮)は明るい性格で、よく笑う子だったという。
「当時の僕は内省的で取っつきが悪く、いつも本ばかり読んでいる子供でした。対照的にエミは社交的で、ぐいぐい話しかけてくるタイプだったので、一緒にいて楽でしたね」
塩田さんがエミを異性として見るようになったのは、中学に入ってから。知識だけでなく、肉体的にも大人びていく彼女に「エロティックなものを感じていた」らしい。
学年が上がるにつれ、「俺はこの子のことを好きなんだろう」と思い始めるように。とはいえ、恋心が本格的に育つことはなかった。それには理由がある。
「当時は校内暴力全盛期。僕が通っていた学校も、スクールウォーズみたいなヤンキー漫画の世界でした。朝登校すると、下駄箱にヤンキーがたむろしていて、煙草を勧められたり……ペンキ屋の息子がシンナーを売っていたり。そんな環境だったから、女の子とどうこうするよりも、自分が生き延びることに必死だったんですよ」
荒れた中学生活をサバイブしつつ、エミとは友人として普通に接していた。しかし3年生になると、彼女は突然学校に来なくなってしまう。
「どうも当時ご両親が離婚したようで、急に不登校になってしまったんです。その後、高校進学のタイミングで、いきなり引っ越してしまいました」
予期せぬ突然の別れ。サヨナラも言えなかった塩田さんは、その後しばらく感傷的になっていたという。
「彼女の家の隣にあった公園へ放課後通って、物思いにふけっていました。あえてセンチメンタルに浸る、みたいな」
片思いにも至らないような、淡い気持ち。心の片隅にエミの存在を残したまま、月日は過ぎていった。
とある50代の男性は幼い頃、初恋の相手と突然の別れを経験した。ある日いきなり姿を消してしまった彼女。恋だと自覚もできないまま、その淡い思い出は長年心に残っていた。
大人になり、ひょんなことから彼女と再会した彼。それこそ百年の恋も覚めるような経験をすることになる。いったい男性に何があったのか?
早熟な幼馴染を異性として意識
突然の不登校、引っ越しで音信不通に
福岡県出身。フリーライター。龍谷大学大学院修了。キャバ嬢・ホステスとして11年勤務。コスプレやポールダンスなど、サブカル・アングラ文化にも精通。X(旧Twitter):@0ElectricSheep0、Instagram:@0ElectricSheep0
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