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“絶滅危惧動作”、10代女子にわかるかな?テレビを叩く、小指を立てるetc.

学校に保存される絶滅危惧動作

 絶滅危惧動作クイズを終え、10代の回答者と20代である著者の藪本氏、そして30代の筆者で図鑑を見ながら話していると、時代の移り変わりが見えてきた。 アンジュ:ギョウ虫検査はしたことないです。 筆者:私の時代は当然のようにやっていましたよ。検査のあとは半日くらい、お尻がベタベタして気持ち悪かったのを覚えています。 藪本:私は小学校の途中でなくなりました。なので当時は、ある程度大人になったらやらなくて良くなるのかと思っていました。でも、そうではなくて日本の衛生環境がととのってきて、ギョウ虫が原因となる病気がなくなったために廃止されたそうですね。 アンジュ:学校関連でいうと、雑巾をしぼったりホウキとチリトリで掃除したりはやったことがありますけど、家ではやったことないです。 藪本:学校では教育として、あえて進化させずに残しているのかもしれませんね。 アンジュ:なので、缶切りで缶を開けたり、瓶の牛乳のフタを開けたりするのは、学校で教わらないので、できないです。 筆者:瓶の牛乳を飲む機会はないですもんね。私より上の世代では、ペットボトルがないのであらゆる飲み物が瓶で売られていて、値段も今より高かったそうです。ただ、飲み干した後に空き瓶を販売店に持っていくと数十円もらえたんですよ。だから、今は町のいたるところにペットボトルのゴミが落ちていますが、当時は瓶のゴミはほとんどなかったそうです。 藪本:私の時代でも、お祭りで売っているラムネはそのスタイルが残っていました。  絶滅危惧動作を実際にZ世代に見せると、意外なほど知っていることがわかった。しかしそれは、テレビ番組やアニメで見かけたというもので、実生活ではまさに「絶滅危惧」になっていることも見えてきた。諸行無常の世の中、今は当たり前に行なっている動作も、10年後には失われているかもしれない。そんな動作を意識して探しながら過ごしてみるのもまた一興だ。<取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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絶滅危惧動作図鑑

失われつつある100種類の動作をイラストで解説

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