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寿司職人になった元アイドル「自炊も料理も未経験だけど“握りのテスト”は1位」

女子は寿司職人に向いていない?

――「女性は体温が高く、握るとネタの鮮度が落ちるので寿司職人に向いていない」という噂もあります。それを感じたことはありますか? あこ:お店に立つようになってから、お客さんからもよく言われます。だけど、体温での男女差がないということは、今は科学的にも証明されているんですよ。 ――個人差のレベルであり、それも寿司の味に影響する差ではないということですね。 あこ:それに、寿司の世界も進化をしていて、昔はネタは冷たいほうがいいと言われていましたが、今は、マグロなどは脂が程よく溶けるし色も良くなるので、常温で少しの時間置いてから握った方がいいという風にも言われています。なので、女性の手が温かいから寿司職人に向いていないということはありません。 ――実感として女性が向いていないと思う作業はありますか? あこ:単純に腕力がないので、力を使う作業は大変です。たとえば、生ゴミはとても重たくなるので最初の頃はゴミ捨てが本当に大変で、男性にお願いしていました。でも、徐々に自分でできるようになっていたので、今は女性の不利さを感じることはほとんどありません。

寿司職人の苦労やりがい

――寿司職人としての立ち位置は、現在どんなポジションですか? あこ:実際、握らせてもらってもいるので、見習いと大将の真ん中くらいって感じです。 ――この世界に入ってみて、どんなところが大変ですか? あこ:飲食店は似たようなものだと思いますが、労働時間が長いです。1日12時間くらいは働きます。それに、私は早く成長したいので、休憩時間も自分で魚を買って来て捌く練習をしたり、先輩の仕事をもらったりしています。 ――やりがいや喜びを感じるのはどんな時ですか? あこ:友人や家族とご飯を食べに行くと、会話に花が咲いて料理は二の次になることはよくありますよね。そういったお客さんでも、お寿司を出した瞬間や召し上がっていただいた瞬間、お寿司に対するリアクションがあったりお寿司に関する会話が生まれたりした時は嬉しいなって思います。もちろん、「美味しい」という言葉をいただけるのは嬉しいです。 ――食べた人の反応ではなく、逆に自分の中でこの仕事に面白味を感じるのはどんな時ですか? あこ:魚を選んでいる時や、仕込みの時ですね。「お寿司」って書かれたTシャツを着て魚屋さんに行くと会話も生まれるので、その日のオススメを聞いたりしています。美味しい魚の選び方を、本やネットで自分で勉強して、それに加えて魚屋さんとの会話で美味しい魚を「一緒に」選んでいる時は楽しいです。 「サバは、尾の方が太いのが美味しいんですよね?」などと話して選んでいきます。そして後日、「こないだのサバ、シメサバにしたら美味しかったですよ」と、コミュニケーションしながら仕事をするのは楽しいですね。
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将来は「寿司をビビらせたい」
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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