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「がむしゃらに働いた先に幸せはない」ベストセラーが教える“充実した生き方”とは

チーズはやみくもに探してはいけない

チーズがないままでいるより 迷路に出て探したほうが安全だ (『チーズはどこへ消えた?』より)  だが、いかにセンサーが敏感な人であっても、自分にとっての「チーズ」がわからないうちに探し始めるのは早計だ。 「『チーズ』はあくまで幸福や成功のメタファーですが、20年前に『チーズはどこへ消えた?』が出版されたときは、『チーズ=お金、利益、ビジネスチャンス』などと捉えられることが多かった。でも、現代人の価値観では、チーズは『時間』『空間』『自由』などに変わってきているように感じます。本書は、自分にとってのチーズは何かを改めて考えるきっかけになるのではないでしょうか」  そして、本書で繰り返し訴えられるのが「仮に、チーズがなくなったら。そこに、留まり続けることは大きなリスクだ」とのメッセージ。 「いまの職場がツラいのに、『もうちょっと頑張れば出世できるかもしれない』『もう少し耐えればボーナスが出るからそれまで頑張ろう』と我慢して、とどまり続ける人がいますよね。でも、ツラい環境に居続けると精神が蝕まれ、幸せを感じる能力が失われ、ますます行動する機会を逃してしまいます。だから、いまその瞬間に幸せを感じられないのなら、逃げたほうがいいんです。その直感は、決して間違っていない。本書に登場するネズミたちのように、すぐさま迷路に出て次のチーズを探すほうがリスクは低いのです」

「何かに没頭できる人生」を実現するには?

きみはすでに“プレゼント”が何か知っている すでにどこへ行けば見つかるか知っている そして なぜ幸せになり 成功できるのか知っている きみは幼いころには よく知っていた ただ忘れているだけだ (『プレゼント』より)  続いて、新作『プレゼント』の中で気になる名言について土井氏がまず挙げたのが、青年が老人に人生を最高に楽しむための「プレゼント」の見つけ方について問いかけたときのフレーズだ。 「老人は、自分の人生を心底楽しむ秘訣=プレゼントは、多くの人が子どものころには知っていたものだと返答しています。それによって、本書の主人公も、老人に冒頭のフレーズを伝えられた後、自分が子ども時代にすべてを忘れて芝刈りに没頭したとき、深い幸せを感じたことを思い出すのです」  このくだりに深く共感するという土井氏も、実は現在「子どものころと同じような没頭できる人生を送りたい」という夢を実現させた一人だ。 「私自身、2年ほど前から長崎県と東京の2拠点生活を送っています。わざわざ長崎での生活を選んだ理由は、『子どものころと同じような自由な生活がしたい』と思ったから。空を見て横たわり、一日の終わりには海や夕焼けを眺め、週末には近くの島へ遊びに行く。そんな幼少期の感覚が忘れられず、いま私は長崎で子どものころと同じような生活をしています。この生活はお金が別段かかるわけではありませんが、自分のやりたかったことを実現できて、とても満たされていると感じますね」
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現在を犠牲にして働いた先に幸せはない
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プレゼント

全世界2800万人が読んだ著者が書きおろす

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