「履歴書を持参して大学の職員の方に『無料でいいので、食堂の隅にテーブルとイスを置かせてください、そこで大学生にカウンセリングがしたいんです』と伝えました。すると、『それはできませんが、こういう場がありますよ』と大学のキャリアカウンセラーの仕事を紹介してくれたんです。ありがたいことにセンター長にも気に入ってもらえて、キャリアカウンセラーの資格もないのに働くことになりました」
そうしてキャリアカウンセラーの勉強をしながら、1日5~6人の学生の進路相談に乗ることになった。太田さんのアドバイスで大手航空会社に入社した学生も多く、その手腕を認められ評価されていたものの、太田さんは「本当は就職したくない学生がいても就職させたい大学の意向とのギャップ」を感じ、結果的に約1年半で辞めることとなった。とはいえ、女子大生850人以上と向き合った体験は、カウンセラーとしてのキャリアにつながった。
その頃、友人から「大阪で面白いセッションをしている人がいる」と紹介されたのが小嶋道広氏(一般社団法人「If the world changes これやん!」代表理事)だった。「本来の自分に導くセッション」に共感した太田さんは師事、その視点と概念を採用し、自分も東京で個人セッションを行うようになった。その後、夫と離婚後はより互いに感謝し合う関係性を確立、もっと自分の在り方を充実させるために拠点を大阪へ。小嶋氏のオフィスでボランティアスタッフとして働くことに。
「活動に共感してスタッフとして働くことになったとはいえ、ボランティアスタッフですから収入はほとんど0でした。早期退職制度で得た退職金は当時使い果たしてしまっていましたし、クレジットカードも払えなくなってしまって……。どうやって生きていこう、と悩んだ時に思い立ったのが『路上ライブ』でした」