高カカオチョコなら“ダイエットに効果的”の理由
糖質を取ると血糖値が上がる。血糖値が上がることで分泌されたインスリンは、中性脂肪となって体にたくわえられる。だったらインスリンを分泌させなければいい、というのが糖質オフダイエットが人気の理由だが、高カカオチョコなら、食べながらも血糖値の上昇を抑えられる優れものということだ。
「カカオマスのもう一つの長所が
ポリフェノールを多く含んでいるということです。常にストレス社会に生きている我々の体には活性酸素がたまっていきます。活性酸素がたまると、血管に傷がつくなど重篤な病気のもとにもなりえますが、それを退治してくれるのがポリフェノールです。フレンチパラドックスという言葉がありますが、高カロリーのフランス料理を食べているフランス人に心疾患の方が少ないのは、
赤ワインに含まれるポリフェノールが作用しているという説もあります。ポリフェノールは果物の皮などにも入っていますが、高カカオチョコレートで摂るカカオのほうがより摂取しやすいです」
甘いもの同様、間食もダイエットにはよくないといわれるが、「間食が悪いのではなく、
間食によって一日の総摂取量をオーバーすることや食事バランスが乱れることが問題」だという。
「間食で理想なのは、一日3回の食事で不足しがちな栄養素も補いつつ、適度に小腹を満たして、間食後の食事でのドカ食いを防ぐことです。甘いものをガマンすることなく、手軽につまめて、ポリフェノールも多く含まれている高カカオチョコレートは理想的です。実際、甘いものが好きな私の患者さんに高カカオチョコレートをすすめた結果、ダイエットに成功したという事例もあります。とはいえ、高カカオチョコレートを食べること自体が痩せるわけではありません。
続けられる食生活を実践することで食事に対する意識が高くなり、結果的にダイエットに成功、という風に考えていてください」
これまでダイエットを挫折する理由になっていた“甘いもの断ち”をすることなく、ストレスフリーでダイエット習慣を継続できる。まさに一石二鳥の高カカオチョコレートを積極的に取り入れよう。
赤石 定典
あかいし・さだのり。東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部。管理栄養士。レシピ本『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修)のプロジェクトリーダー。その他、多くの健康本やレシピ本の著者・監修に関わる一方、テレビやラジオの出演の機会もあり、芸能人の食生活、栄養の摂り方などの指導を行い学内外での活動も多い。
<取材・文/日刊SPA!取材班 イラスト/押本逹希>