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『相棒』新シーズンが期待はずれ…亀山の復帰で話題も、拭えない“古臭さ”

マンネリを“禁じ手”で解消したアメリカのドラマ

 アメリカの長寿ドラマ『NCIS』は、このマンネリを“禁じ手”で解消しました。主人公の交代です。  それまでのボス、リロイ・ジェスロ・ギブス(マーク・ハーモン)は寡黙でワーカホリックで、時には法を逸脱して悪人を実力で制圧するヒーローでした。しかしマーク・ハーモンが降板し、ゲイリー・コールがオールデン・パーカー役で登場したのを境にドラマは生まれ変わります。  それまでの“男が憧れる男”ギブスとは異なるパーカーによって、ドラマが現代的なリアリティを取り戻したのです。出勤時に部下にスイーツを買ってきては、良き聞き役にもなる。残業も許さないこの時代ならではの上司像。自宅では家庭菜園や料理を楽しむ家庭的な一面も時代性を反映しています。  そんな新キャラのおかげで、マンネリ気味だった『NCIS』は息を吹き返しました。プロットの型を崩さず、より現代にフィットする道を見つけたのです。

おいそれと変えられない苦悩も垣間見えるが…

 右京のいない『相棒』は存続できないでしょうから、『NCIS』方式をとるわけにはいきません。では、どのようにして同時代的なリアリティを打ち出していくのか。  国民的人気ドラマゆえ、おいそれと変えられない。そんな苦悩も垣間見える新シーズンです。  というわけで、色々と想いをぶつけてしまいましたがそれもこれも『相棒』に大きな期待を持ってしまうから。  まだまだシーズンは始まったばかりです。今後に期待しましょう!  って、大丈夫かなぁ…。やっぱ心配。   文/石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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