そして悪戦苦闘しながらもなんとか完成。ブロックの盆栽ではあるが、その小さな空間に自然の美しさが表現されている。観葉植物のように机の片隅などに置くインテリアとしてよさそうだ。 　しかし、ひとつどうしても引っかかることがあった。これの商品名はキッズブロックとなっているが、盆栽のブロックを組み立ててキャーキャー喜ぶキッズなんて存在するはずがない。喜ぶのは僕のようなおじさんだけなのである。これはキッズブロックからおじさんブロックに改名するべきだし、対象年齢も15歳以上から40歳以上に変更したほうがいいだろう。 　次に桜の盆栽を組み立てる。桜の花びらのブロックが縦ではなく横からはめ込むという特殊な作りになっていたが、松ほど手こずることなく完成させることができた。 　キッズブロックには他に純喫茶シリーズなんてのもある。そのレパートリーはプリン、クリームソーダ、サイフォンコーヒーの３種類あったので、そのうちのプリンとサイフォンコーヒーを買って組み立ててみた。 　そして完成したブロックをテーブルに並べて観賞し、ああ、これも確実にやりにいってるな……と思った。キッズにはプリンの上の赤と白のブロックがさくらんぼと生クリームを表現しているなんて理解できないだろうし、サイフォンコーヒーもそのブロックを見ただけでこれがコーヒーを淹れるための器具だなんてわかるはずもない。 　これも盆栽と同様、キッズブロックなんて言いながら僕らおじさんをターゲットにしているのはあまりにも明らかだ。 　キッズブロックはおそらくこれからも新作が発表されていくことだろう。さて、次はいったいどんなブロックで僕らおじさんを楽しませてくれるのだろうか。 　 　＜取材・文／小林ていじ＞ バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。