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村上宗隆が“史上最年少”三冠王。プロ野球「三冠王」を惜しくも逃した男5選

ヤクルト・村上宗隆が令和初の三冠王に

 東京ヤクルトスワローズの村上宗隆内野手(22歳)が王貞治氏の記録を上回るシーズン56号本塁打(NPB史上単独2位、1位はバレンティン)を放ち、大きな話題に。さらに’04年の松中信彦(福岡ダイエーホークス)以来18年ぶり、8人目となる本塁打・打率・打点の三冠王を獲得。22歳での達成は史上最年少で、令和になってから初の大記録達成となった。  村上の今季打撃成績は打率.318、56本塁打、134打点。シーズン終盤、王氏の本塁打記録に並んでからはプレッシャーもあってか極度の不振に陥り、打率部門で大島洋平(中日ドラゴンズ)に迫られたものの、最終戦に猛打をふるって栄冠を手にした。  しかし、プロ野球の歴史の中では偉大な“三冠王”のチャンスをギリギリで逃してしまった選手も多く存在する。今回は、一流スラッガーから意外な選手まで、大記録を惜しくも達成できなかったプレイヤーを紹介していく。

世界のゴジラ・松井は天才スラッガーに阻まれる

エキストラ・イニングス 僕の野球論

松井秀喜『エキストラ・イニングス 僕の野球論』(文春文庫)※画像は、Amazonより

 一人目は、読売ジャイアンツやニューヨーク・ヤンキースで4番を務め、日米通算507本塁打を放った“ゴジラ”こと松井秀喜だ。  ’00年に42本塁打、108打点で二冠王に輝いた松井は、翌年には打率.333で首位打者のタイトルを獲得するも、惜しくも本塁打と打点のタイトルを逃す形に。「野球は難しい」とマスコミにコメントし、悔しさを滲ませていた。  そんな松井が三冠王に最も近づいたのは、メジャー移籍する前年となる’02年。開幕直後から好調を維持して、三部門でタイトルを独走。しかし、打率部門で松井に立ちはだかったのは、今年45歳で引退を表明した福留孝介(中日)だった。福留は、天才バッターとしてプロ入り後やや伸び悩んでいたが、同年に打撃が開眼。打率.343で初の首位打者に輝いたのだ。  松井は連続試合出場を続けていたこともあり、一時は4毛差まで迫るものの、打率を維持するために途中欠場をした福留にタイトルを譲ることになってしまった。それでも打率.334、50本塁打、107打点という堂々たる数字をマークし、メジャー移籍の花道を飾った。  そんな松井は、自らが達成できなかった“三冠王”を獲得した村上を「スケールが違う。あれだけ打てるのは彼の中に何か特別なものがあるから」と絶賛している。
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日本の宝も三冠王に届かず
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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