更新日:2022年11月10日 22:04
仕事

コロナ失業した40代男性、再就職よりも「アルバイト掛け持ち」を選んだワケ――失業の恐怖トップ10

時給よりも「時間の拘束」を優先してアプローチ

転職活動 家族もいるので恥ずかしいなんていっていられません。過去の名刺をひっくり返して少しでも話を聞いてくれそうな人、自分が役に立てそうな人に手あたり次第に連絡しました。  その際、報酬額はまったくこだわらず、むしろ「最初のうちは最低賃金もしくはタダでもいいので、試しに使ってくれないでしょうか」とお願い。  一方で、ほかの仕事もして食い扶持をつながなければならず、転職活動できる余力も確保しなければいけないので、時間の拘束・制限を厳しくしないでほしいということだけを条件にしていました。  それまでの仕事ぶりが際立ったほどでもないとのことですが、悪い評判があったわけでもないので、「安くても構わない」という一言が効いたのか、少しずつアルバイトでの検討が進むようになりました。

内容を選ばず、なりふり構わずアルバイトに挑戦

 最初に成立したのは過去に接点のあった会社でのちょっとした調査業務。月に2万~3万円の報酬でしたが、出社する義務はなかったので喜んで取り組んでいました。職を失う前の月収は40万円ほどだったので到底足りませんが、それでも必要とされたことが嬉しかったそうです。  次に見つかった仕事は知人の紹介の不動産投資家からの依頼で、指定された不動産物件に赴いて周辺も含めて画像とともにユーザー目線で報告するという内容です。  これも月に1万~4万円の報酬でしたが、好きなときに移動して好きなときにデスクワークをすることができたのと、不動産についての豆知識がどんどん増えていったので、とても楽しく取り組んでいました。  気がつけば、そうした月に数万円ほどの仕事を5つも獲得していました。珍しいところでは、ある会社の定例会議の議事録をテープ起こしバージョンと概要バージョンに分けて作成するというものもありました。こちらは特に楽しくもなく、面倒な作業だったそうですが、「定例」会議であるだけに安定的に報酬がもらえたことがありがたかったそうです。
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リストラから1年、ついに再就職の機会が…
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株式会社リヴァイタライゼーション代表。経営コンサルタント。東京大学大学院修了後、投資会社、経営コンサルティング会社で企業再生などに従事したのち、独立。現在も企業再生をメインとした経営コンサルティングを行う。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社)などがある

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