仕事

佐久間宣行、フリー1年目を振り返る「新しく働き直してるような気分」

優先順位と要点を押さえる、フリーの仕事術

 働き方自体はすべて自分でコントロールできているぶん、忙しいけど仕事が回らないとか、潰れてしまうようなことはないですね。大きな仕事をいただいて、プレッシャーを感じたことはありましたけど。  やっぱりADの期間がちゃんとあって、チーフADとしていろんなプロジェクトのスケジューリングをしてきた経験があるので、仕事を回していけるんだと思います。「この番組はここまでにいろいろ決めなきゃいけないな」「ここから先は人に預けても、クオリティは落ちないな」といったことがある程度見通せるというか。優先順位をつけてスケジューリングする力は、フリーにとっても必要なんだなと感じました。  自分で企画を考えたり、アンケートに答えたりするようなアウトプットに関しても、作業を大きく見積もるタイプだから破綻するようなことはないんです。特に自分の中のイヤな気持ちを引きずり出さなきゃいけないようなアンケートは、全然出てこなくて時間がかかるとわかったので、時間配分に気をつけてます。逆に、おすすめのエンタメ紹介なら15分ぐらいで書けるんですけど。書けば書くほど経験値もストックも貯まっていくので、エンタメ紹介はどんどん数をこなせるようになってると思います。

ブレストは頭が冴える朝の時間に

 企画については、悲しいかな年々集中力が落ちてきているので、最近はひとりで考えられなくなってきました。だから、頭が冴える時間、朝起きてから5時間くらいの間に、人とディスカッションするかたちで考えるようにしていて。昔は夜中までダラダラ会議をするようなこともありましたけど、いまはブレストなら午前中に時間を区切ってやると決めてます。そのぶん、会議の前にある程度考えて、資料を用意するといった、事前の準備が大事。その会議で決めるべきことは何か、この企画で一番鳥肌が立つのはどんな瞬間か、そういうイメージを明確にしておかないと、企画や議論の方向性も定まらないので。  プロジェクトの方向性を考えるのも、けっこう大変なんですよ。テレビもそうですけど、特にYouTubeなんかは修羅の世界なので……再生数などのデータばかりを見ていると、だんだん何をやってるのかわからなくなっちゃうんです。僕の場合(『佐久間宣行のNOBROCK TV』)、数字を気にしつつも、お笑い好きな人が観ていることをどのくらい意識するかも考えたりしてるんですけど、なかなかむずかしくて。誰に相談しても「わかんない」って言われます。
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脱サラパーソナリティ、テレビを飛び出す

フリーのプロデューサーとしての激動の1年

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