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「最初に蹴ってくれて…」森保監督の“優しい言葉”が選手に与える心理的効果とは

称賛された森保監督の行動を分析

日本代表 森保監督

森保監督は帰国する選手、一人ひとりに「ありがとう」という労いの言葉をかけて見送った 写真/日本雑誌協会

 続けて福田氏は、日本代表解散前に森保監督がとった行動についても解説。カタールを去る代表メンバーに対し、一人ひとり出発時に「ありがとう」という労いの言葉をかけて見送ったという森保監督の行動が、帰国後の選手インタビューで明らかになった。代表メンバーは世界各国で活躍しているため、飛行機の出発時間がバラバラ。それでも、しっかりと出発時間を把握して見送った森保監督の人間性に対し、称賛の声が上がっている。 「森保監督の行動は『あなたを認めています』という気持ちと、『一人ひとりの意識と行動の積み重ねこそが、チームの成績になっている』という気持ちのメッセージになっているとも言えるでしょう。こういった労いの行動を日常的に行っている指導者に対して、選手は『応えたい』との思いになります。それにより、どんなポジションであっても主体的に動くようになりやすいのです」

「最初に蹴ってくれてありがとう」という優しい労い

 結果的にPK戦で敗退した日本代表。初のベスト8に向けて大きすぎる重圧のなか挑むPK戦は、キッカーが立候補制によって決められたことも明らかになっている。1番手を名乗り出て敢えなく失敗となった南野拓実選手に対し、森保監督は試合後「PKを最初に蹴ってくれてありがとう」という労いの言葉をかけた。この言葉に込められた意味を、福田氏は心理学の目線で解説した。 「最初に蹴るというプレッシャーを買って出たことへの労いの言葉は、南野選手に対して言ったことですが、メディアなどを通じて他の選手にも届く言葉でもあります。そのような信頼関係を築くことで、今後のチームの一体感がより湧いてくるのです。そして、そのように認めてくれている監督にも応えたいとの気持ちになり、それぞれの選手にもエネルギーが湧いてきます」
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心理学的に「代表監督に必要なこと」
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