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登録者数100万人のエドが警鐘「YouTubeは麻薬と同じ。人間の心を失ってしまう」

YouTubeは「消費されて終わり」

エド 衝動に突き動かされるようにして動画を上げ続けるエドだったが、実はYouTubeからの引退を密かに決めていたという。しかも、それは半グレ勢力に追われる前の話。そこにはYouTube業界に対する危機感があった。 「たとえば音楽とか映画って一生心に残る作品がありますよね。でもYouTubeって、10分笑われたらそれで終わりじゃないですか。何も残らない。僕はそれが不満なんです。YouTubeから引退する際、最後のコンテンツは決めていて、今だったらウクライナとかの戦地からメッセージを発信したい。たとえばですが『今、あなたはYouTubeを観て時間を潰そうとしている。その当たり前の日常がずっと続くと考えているでしょう。でも食べるものや寝る場所が普通にある日本という国は、実は想像以上に恵まれているんですよ。だから胸を張って生きましょう』みたいなね」

この世界は「視聴者と自分だけ」じゃない

 今年11月、エドはエイベックスからデビューシングル『OUTCAST feat.エガサリ』をリリース。夢だったラッパーとしての第1歩を踏み出した。その一方で「Breaking Down 6」にも出場し、試合には敗れたものの観る者を熱くさせる突貫ファイトを展開。格闘技に関しては今後も本気で続けていくつもりだという。そして引退するつもりだったYouTubeも、半グレの執拗な妨害活動によって逆に闘志に火がついたようだ。 「YouTuberに憧れる若者って多いじゃないですか。彼ら・彼女らに伝えたいのは、僕のような病気にならないでくれということ。そこらの一般人が登録者数100万人行ったら、普通は狂いますよ。でも世界は広いし、視聴者と自分だけじゃない。YouTuberの前に1人の人間だということを、くれぐれも忘れないでほしいんです」  過激派YouTuberのトップランナーとして、痛い目に散々遭ってきたゆえの説得力。YouTubeバブルは終わったとも言われる中、その言葉は限りなく重い。 <取材・文/小野田 衛>
出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。
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