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ゴッドタン「マジ歌選手権」。劇団ひとりのネタは上島竜兵さんのオマージュなのか

労力を注ぐ実力派ベテラン芸人たち

 今回出演した「マジ歌シンガー」は、日村勇紀(バナナマン)、角田晃広(東京03)、秋山竜次(ロバート)、バカリズム、錦鯉、ハライチ、後藤輝基(フットボールアワー)、劇団ひとりである。  この中でも、「マジ歌四天王」とも言える、日村勇紀、角田晃広、後藤輝基、劇団ひとりが披露した曲とパフォーマンスは、特に大変な労力が見て取れた。  バンド演奏した、角田晃広と後藤輝基は、最も労力が注がれたパフォーマンスを披露した2人である。相当な時間を費やして、曲作りと、演奏リハーサルをして曲をまとめ上げたはずだ。日村勇紀のキレキレなダンスだって、仕上げるためにかなり時間がかかっただろう。

劇団ひとりの作品は上島竜兵さんのオマージュか

 毎回、この企画のトリを務めるのが、劇団ひとりである。劇団ひとりだけは「マジ歌」というか、もう何でもありのパフォーマンスをすることを許されている。いつも凝った特殊メイクを施してパフォーマンスをする。  今回は河童に扮した。河童故にパンツは履いていない。緑に塗られた劇団ひとりの裸のお尻から、1本紐が垂れ下がっている。どうやら、お尻の穴に紐のついた玉をネジこみ、それを尻子玉に見たてているらしい。もちろんお尻には自主規制のモザイク。  人間に敵意を抱く河童は、人間に相撲対決を挑んでくる。自分の尻子玉を抜くことができたら、河童は負けを認めるという。しかし、河童はあえなく戦いに敗れ、尻子玉を抜かれてしまう。するとなんと、抜き出された玉には、うんこが付着している(らしい)! スタジオ騒然! コンプライアンスばかりが先に立つ昨今のバラエティー番組において、こんなアナーキーな姿勢にも感動。    私はこの「うんこの一件」は、大晦日の「笑ってはいけない」を始め、さまざまなバラエティー企画でうんこを漏らしたことがある上島竜兵さんへの、劇団ひとりからのオマージュだと勝手に思っている。動画配信サイトでは決して見ることができない、創造性が心地よい「マジ歌選手権」である。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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