南極で地図の精度を向上させる作業を実施。南極観測隊「地図のエキスパート」の仕事
日本の南極観測隊は、1957年から現在に至るまでの60年以上に渡り、地球環境の観測を続けている。オーロラの観測やペンギンの生態など、さまざまな調査が行われており、観測隊として各分野のエキスパートが集結しているのだ。その全ての隊員に必要不可欠となるのが「南極の地図」である。
地図を作成するうえでのエキスパートである「国土地理院」の観測隊は、南極の地図の精度を上げる活動を行っている。今回、南極観測隊に同行しているフジテレビ取材班が、国土地理院の観測隊に、その活動内容についての話を聞いている。
そもそも「基準点」とは、地図を作成するうえでの位置の基準となる点のことで、1956年に南極へ渡った1次隊が初めて設置した。これを目印に、航空機からの空中写真などを使用して地図を作成することができるようになったという。
また現在は、基準点を新たに設置するだけでなく、過去に設置された基準点を探し、測量を行うこともある。ただ、雪や氷の下に埋もれてしまって見つけられないこともあるようだ。
今回の取材で、39年前に設置された基準点を見つけた観測隊の瀧繁幸さんは「40年近くここにちゃんとあったんだなと思うと感慨深いものがありますね。先輩来ましたよ」と、素直な想いを口にした。
そして、過去の基準点が見つからなかった場合、新たに基準点を設置し、地図の精度をさらに向上させているとのこと。今回の取材によると、今年1月の中旬頃、昭和基地から約120km離れた南極大陸の絶景ポイント「ベストホブデ」と呼ばれる場所にある岩肌に、測量の「基準点」を設置する作業が完了したようだ。
こうして、南極観測隊の偉大なる先輩が設置してきた基準点に加え、新たに設置した基準点により、南極の地図の精度が向上している。国土地理院の観測隊によって、他の観測隊の安全が守られていると言っても過言ではないだろう。
文/日刊SPA!取材班
基準点の初設置は67年前
今年も新たな基準点の設置が完了
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