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人間の行動力を奪う「タイパ重視」「コスパ重視」という呪い/猫山課長

大人になってから「もっと勉強しておけばよかった…」と後悔する理由

 わかりやすい例で言えば、学校教育がそれに該当します。学校で学ぶことの価値は学校に通っているうちはわかりません。学んだことの価値がわかるのは、学校での学びを修めた後になります。だからみんな、「もっと勉強しておけばよかった……」と大人になってから後悔するのです。  コスパが計算できない。よってこれは費用と時間を投下すべきことではない。コスパに囚われるとそんな理路に染まっていきます。  そうなるといつまで経っても自分に投資することができず、成長することができません。そんな人物は、等価交換である「消費」しかできなくなります。消費しているだけでは一生ただの消費者のままであり、価値を増大させて収入を増やすことなどできず、格差の下層に固定されるかもしれません。

コスパより重要な「ダイブする行動力」

 コスパは消費行動の範囲内に収めるべきで、自分の将来価値を左右する行動にまで適用するのは間違いです。必要なのは、計算しきれない未来に対してダイブする行動力なのです。  行動すればすべてがプラスのリターンになるとは限りませんが、コスパの呪いに囚われて動かない場合と比べたら、ずっと多くのリターンを得られます。新たな体験や学びは、あなたを非日常へ運んでいき、間違いなく新しい刺激や気づきをもたらすでしょう。  それによってこれまでとは違うあなたへ少しずつ変化していき、徐々に行動することの価値が理解できるようになります。
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どれだけのリターンがあるかは、やってみないとわからない
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金融機関勤務の現役課長、46歳。本業に勤しみながら「半径5mの見え方を変えるnote作家」として執筆活動を行い、SNSで人気に。所属先金融機関では社員初の副業許可をとりつけ、不動産投資の会社も経営している。noteの投稿以外に音声プラットフォーム「voicy」でも配信を開始。初著書『銀行マンの凄すぎる掟 ―クソ環境サバイバル術』が発売中。Xアカウント (@nekoyamamanager

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