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恒岡章さんが51歳で死去。ハイスタが音楽シーンに残した「大きな足跡」

「慣例を打ち破った」というインパクト

   ハイスタ成功のインパクトは、こうした“慣例”を打ち破ったところにあったのです。『rockin’on.com』の「【知りたい】Hi-STANDARDはこんな風に音楽業界の常識を覆してきた!」(2017年12月15日)で、1stと2ndアルバムをリリースしたトイズファクトリーの担当者による証言がありました。 <お金をかけて宣伝してあげられたわけじゃない。むしろ大したことはしてないんだけど、でも毎日100枚以上売れるんです。日本全国で毎日100人以上の人が『GROWING UP』を買ってるんですよ。それがここ1年以上ずっとなんです!>  こうした草の根的な広がり方は演歌以外ではあり得ないのだそう。そのぐらい、一人ひとりにじっくりと浸透していった。

日本の音楽史に大きな足跡を残したハイスタ

 筆者自身はそこまでハマったわけではありませんが、高校時代の同級生がハイスタに出会ってからというもの、横浜のパンク専門レコード店に足繁く通ってはレア盤を探すようになったのを覚えています。それまではB’zにドリカム、ボン・ジョヴィやエアロスミスばっかだったのに。  どちらがいい悪いではなく、ひとりの行動パターンを激変させてしまう影響力があったのですね。それほど青春時代の日常に深く食い込んでいた。アラフォー、アラフィフがハイスタを忘れられない理由なのだと思います。  日本の音楽史に大きな足跡を残したハイスタ。恒岡氏の訃報に際して、改めてあの時代の熱さを思い出しました。 文/石黒隆之
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ハイスタの代表曲「Stay Gold」を聴く
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

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